【0・1・2歳児】トラブルを育ちにつなげる保育
【0歳児】⼦どものトラブル対応のポイント
0・1・2歳児に起こりやすいトラブルと、保育者が配慮したい対応のポイントについて、各年齢の発達段階を踏まえて見ていきましょう。
【0歳 よくあるトラブル】近くにいる子に近づいて、突然、ほっぺをぎゅっとつかんだり、髪の毛をひっぱったりする。
【どうして起こる?】活動量が増し、周囲への興味・関心が高まる
生後7~8か月になり、ずりばいやはいはいで動けるようになると、周囲のいろいろなものに関心をもつように。そして、目新しいものには目を輝かせて近づき、さわったり、なめたりするようになります。
それは、対象が友だちであっても同じで、ほっぺをつかんだり、髪の毛をひっぱったりするのも、「これは何だろう? さわって確かめてみよう」という好奇心によるもの。決して、悪気があってのことではありません。
【対応のポイント】物理的にトラブルが起きにくい環境を整えることも大事
このような場面で、いきなり「だめ!」などと、行為を否定することばをかけると、子どもは意味がわからないばかりでなく、人の顔色を気にしてのびのび活動できなくなってしまいます。
まずは、「○○ちゃんのほっぺ、かわいいものね。さわりたくなっちゃうね」などと肯定的なことばで子どもの気持ちに寄り添いましょう。そのあとで、「でも、ぎゅってしたら痛いよ。やさしくなでなでしようね」と、正しいかかわり方を伝えます。
また、0~1歳の頃は、トラブルが起きにくい環境を用意することも大切。子どもが夢中になってあそべる十分な数のおもちゃを用意する、子ども同士の距離を十分にとるなどの配慮も必要です。
お話/井桁容⼦先⽣
乳幼児教育保育実践研究家、⾮営利団体コドモノミカタ代表理事。東京家政⼤学ナースリールームにおいて42年間、0〜3歳児の保育の実践と研究に従事。2018年より現職。NHK Eテレ『すくすく⼦育て』出演、『保育でつむぐ ⼦どもと親のいい関係』(⼩学館)など著書多数。
取材・⽂/森 ⿇⼦ イラスト/たはらともみ