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育ちに合った就学先を選ぶために

就学先の選択と決断に、保護者は大きな不安を抱えます。
就学について悩む保護者の良き支援者となるために、就学の相談員として各園を巡回している佐藤先生に教えていただきます。
その子の得意を伸ばせる就学先を
就学先の選択にあたって、まず考えたいことは、「その子の良さや得意なところを伸ばすのはどのような就学先か」ということです。安心して過ごすことができ、自信を深められる学びの場であることも重要。その上で、その子の苦手なところ、支援が必要なところを具体的に考えていきます。
普段の保育でその子の苦手なところや課題は、どこでしょうか? そしてそれをどのように支援しているかを整理してみましょう。
例えば、保育者の一斉指示を聞くのが困難という課題がある子の場合、個別に伝えたり、その子がわかりやすい方法に置き換えて伝えたり、それでも難しければ一緒に取り組んでいるなど、普段の保育で配慮されている手立てが、就学先でも可能かどうかも検討材料となります。
保護者と教育委員会との合意で決定
就学先は、保護者の選択を尊重しつつも、最終的には自治体の教育委員会との合意形成を経て決定されます。決断する保護者にとっては不安もストレスも大きいものでしょう。送迎時のちょっとした立ち話を通して保護者の思いに耳を傾けるなど、日頃のコミュニケーションが大切です。登降園時や保護者参加の行事の時などにさりげなく園長が声をかけることが、保護者の悩みや不安を園と共有し、子どものこれからを一緒に考えていくきっかけになることも。就学先決定の過程は、保護者の悩みや不安を受け止め、保護者と共に歩むようにしたいものです。
決定した就学先は変えることもできる
就学先で実際に過ごしてみると、本人と環境が合わないこともあります。このような場合、学校や教育委員会などへの相談を通して、通常級から支援級へ、など就学先を変更することも可能です。その場合は、まずは関係者間で相談し合意形成を図りながら、判断は急ぎすぎず、学習環境の調整から始めていくことが大切です。
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教えてくれた人/筑波大学附属大塚特別支援学校 佐藤義竹
撮影/五十嵐公 イラスト/オグロエリ 構成/ tobiraco編集室
撮影協力/大子町立大子幼稚園(茨城県)

この記事が詳しく掲載されているのは
PriPriパレット 春号
60ページに掲載
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