ことばかけQ&A②
ほめることばかけが大切だとわかっていても、実際の保育の場面では、迷うこともたくさんあります。「ほめる」にまつわる質問に答えていただきました。 | |
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Q4 同じクラスを一緒に担任している保育者が子どもを叱りがちです。私が「ほめる」を意識すると、子どもが混乱しませんか | |
A 担任同士、目標を共有しながら話し合いを 世の中、みんなが同じ反応をするわけではありません。子どもも人を見て自分の行動を変え、適応していきます。自分自身の子ども時代を振り返ってみましょう。A先生は怖いから黙っていよう、B先生はわかってくれるから相談しようなどと対応を変えていたのではないでしょうか。しかし、同じ行動への対応が保育者間で異なると混乱する子もいます。担任同士で基準や方針を共有できるとよいですね。ほめることで自己肯定感を育てるという目標を共有し、担任同士で話し合いましょう。 |
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Q5 「ほめる」を意識して接していますが、てんぐにならないか心配です | |
A 子どもの自己肯定感を育てるという基本に立ち戻って ここで思い出してほしいポイントは、子どもの自己肯定感を育てるという保育の軸です。自己肯定感とは、成功体験、失敗体験を通して、ありのままの自分を受け止め「苦手なこともあるけれど、自分は大切な存在だ」と思える感覚です。そして、自分を信じられるようになることです。ただ、自分はすごい! と思うことではありません。たとえてんぐになったとしても、その長い鼻を折られるような挫折体験は今後の人生の中であることでしょう。わざわざ保育の中でてんぐの鼻を折ることはせず、子どもの健全な自尊心を育みましょう。 |
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Q6 「ほめる」を意識して接していますが、子どもに変わる様子が見られません。心が折れます | |
A 「ほめる」のは、子どもを変えるのではなく、行動を変えるため こどもを変えるためにほめるのではありません。ほめるのは、「行動を変える」ための方法のひとつです。ある行動を増やす、あるいは減らすことで、子どもが暮らしやすくなるためにほめるのです。 まずは、増やしたいと思っている行動(「ターゲット行動」といいます)は何かを明確にしましょう。紙に書いてみてください。 なお、ターゲット行動は「決まりを守る」「友だちにやさしくする」といった抽象的、主観的なものではなく「かばんをしまう」「順番におもちゃを使う」「ゴミを捨てる」など、具体的な行動を指します。 |
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教えてくれた人/大正大学 臨床心理学部 臨床心理学科教授 井澗知美 イラスト/ハバメグミ 取材・文/こんぺいとぷらねっと |