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支援のアイデア

LD(学習障害)かと思ったら③

LDかもと思ったら
園でできる支援とは?
LDの可能性が高くてもそうでなくても、すべての子にとって有益な支援とはなんでしょうか?

ことばと心の土台形成と、数や量のあそびを

外国語の文章を読む際、単語を知らなければ読解できないのと同様、日本語の文章でも語彙が少なくことばを知らなければ、内容を理解できません。あそびのなかで自然に語彙を増やすことを意識しましょう。語彙が豊富であれば、文章を読む際にそれが力になります。算数問題を解く際も、文章の読解力が必須となります。また、数の概念が身につくまでには、数を数える、量を比べるといった実体験を重ねることがとても大切です。人数を数える、カードを配る、水や砂を使って量を比べるなど、数量が関わるあそびを増やしましょう。楽しみながら、ことばや数に触れる活動が望まれます。

苦手意識を芽生えさせないよう心がけて

就学前は、無理に文字を教えたり書かせたりして、苦手意識を芽生えさせないようにしましょう。また、「すごいね、できたね」などのほめことばを使いがちですが、できない子は自分の苦手を強く意識してしまいます。「じょうず」「早くできる」ことがよいという価値観にとらわれず、「最後までがんばったね」など、その子を認めることばかけを意識しましょう。
日々の保育でできるあそび
読む、書く、計算するなどの力は、幼児期のあそびが基礎に。
発達に特性のある子だけでなく、どの子にとっても有意義なあそびを保育に取り入れてみましょう。
ことばあそび
語彙が豊富なほど、読む際の困難が減ります。絵本の読み聞かせを通じて、「人の話は心地よい」と感じたり、ことばの意味や使い方などが身についたりします。しりとりやかるたも、音韻認
識※ や語彙習得に繋がるあそびです。
協調運動を促すあそび
ノートに文字を書くには、目と手の協調運動が必須に。目で見ながら手を動かす昔ながらの手あそびは、協調運動を促すあそびとしておすすめです。あやとり、折り紙なども、微細運動の発達を促し、書字の際に役だちます。
数や量のあそび
数の概念の獲得には、物を数える、多少を比べるなどの経験をくり返し行うことが大切です。すごろくでサイコロの目だけ進む、トランプでカードを配る、買い物ごっこをするなどで、数や量に触れる機会を増やしましょう。
教えてくれた人/
明治学院大学心理学部教授 海津亜希子
イラスト/木下綾乃
取材・文/仲尾匡代
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掲載されているのは

PriPriパレット 2024-2025 12・1月号

PriPriパレット 2024-2025 12・1月号

32,34,36ページに掲載

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