ひとりでいることが多い子への対応③
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感覚過敏があって、集団活動に入りたがらないCさん 感覚過敏があり、歌の時間や集団活動が苦手な5歳のCさん。新しい場所に慣れにくくチャレンジを避けるため、みんながワクワクしている行事などを嫌がり、孤立しているように見えます。 |
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無理なく過ごせる工夫で参加できる方法を見つけて 感覚過敏がある子どもの場合、まずは、その子の苦手なものや場所、場面を見極めることが必要です。そのうえで、刺激を避けられる方法や、参加しやすいあそびを提案してみましょう。集団活動になじみにくい子の多くに、実は感覚過敏があるとも考えられており、保育者はつらい思いをしている子どもはいないかを注意して観察することが大切です。 周りの子に説明することが必要な場面は、本人がどうしてほしいかをよく聞き取ってから、シンプルに伝えるようにしましょう。 |
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園での支援実例
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![]() “これなら大丈夫”の参加の仕方を話し合う 絵カードや選択ボードなどを使い、本人と話し合って活動や行事への参加方法を決めています。歌の時間は、「部屋の隅で見学する」「イヤーマフを使って参加する」「今日はほかのあそびをする」など、様々な参加の仕方を提案。クラスの子どもにもCさんの気持ちを話し、Cさんなりの参加を認めるようにしています。 |
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行動が乱暴で、友だちから避けられてしまうDさん 気に入らないことがあると友だちを押す、「嫌い」と言うなど、友だちとトラブルになりがちな5歳のDさん。友だちから、「もうあそばない」と言われてしまうこともあります。 |
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うまくいった経験を積み、行動を強化する ちょっとしたきっかけで感情が爆発し、イライラを周囲にぶつけてしまう子どもがいます。大きな声を出したり、あそびを中断することが続くと、友だちから距離をとられたりして、ひとりでいる場面が増えてしまいます。このような場合、しかられることが多く、自己肯定感が低くなることがあります。保育者は、「挨拶ができた」「友だちに物を貸せた」など、些細な行為でもすかさずほめる対応を意識しましょう。認められる経験が増えると自己肯定感が高まり、よい行動が強化されます。 |
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園での支援実例
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![]() 自分の気持ちに気づく感情カードを活用 Dさんは自分の気持ちをうまくことばにできず、人や物に当たることがよくありました。そこで、場所を変えてクールダウンしたうえで、感情カードで気持ちを保育者に伝えられるようにしました。「嫌だったね」「〇〇したかったよね」などと保育者がことばにして受け止めるようにしたところ、気持ちを切り替えて活動に戻るまでの時間が短くなりました。 |
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公認心理師、臨床発達心理士 白馬智美 イラスト/ナカムラチヒロ 取材・文/こんぺいとぷらねっと |



