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支援のアイデア

揺れる思いに寄り添う保護者対応 ①


「今、保護者がいるプロセス」を見極め、
「今、必要な関わり方」で寄り添う支援を

「適切な支援を進めるため、保護者にも早く子どもの特性を理解してほしい」と思う保育者は少なくないでしょう。もちろん、子どものよりよい育ちのためには、保護者と園が同じ思いで支援に向かうことはとても大切です。しかし、保護者支援において、保護者の気持ちの〝現在地〟を把握しないまま保育者がアプローチすれば、保護者との関係がこじれ、子どもへの支援も難しくなることがあります。
わが子の障害に向き合い、「子どものためにできることをしよう」と思えるようになるまでに、多くの保護者は4つの感情のプロセスを辿ります。保護者は今、どのプロセスにいるかを慎重に見極め、その時々の保護者の心情に添った支援を行っていきましょう。
\行きつ戻りつしながら/
保護者が「子どものために」と
思えるようになるまでの4つのプロセス
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保護者の今の状況は?
プロセスに応じた 関わり方のポイント
身の回りのことがひとりでできないなど、周囲の子より全般的に発達の遅れがあるわが子の姿を、「早生まれだから」「ひとりっ子だから」と笑い飛ばし、気にするそぶりがない。
Aさんの心理
わが子の育てにくさやほかの子との違いを薄々感じているが、無意識に様々な理由をつけて、不安を打ち消している。子どもに関するネガティブな指摘は、自分の子育てを否定された気持ちになるので聞きたくない。
Aさんは今……あいまい期

焦りは禁物。保護者の気づきや行動を促そうとせず、
「待ち」の姿勢で
保護者が不安を打ち明けられる保育者に
 子どもの特性に気づいていない、または、気にしていないように見える保護者も、育てにくさなどから、子どもの発達に漠然とした不安を感じていることがあります。とはいえ、「あいまい期」の保護者は、その不安を「考え過ぎ」「一時的なもの」などと捉え、無意識に打ち消そうとしています。保育者が「保護者にも早く気づいてほしい」と、園での子どもの気になる様子を伝えたり、家庭での困りごとを聞き出そうとしたりすれば、保育者に心を閉ざしかねません。この時期は、「できる」「できない」ではなく、子どもの園でのかわいい姿を共有し、保護者と日々丁寧にコミュニケーションを重ねていきましょう。保護者が安心して子どものことを相談できるような関係を、焦らず築いていくことが重要です。
教えてくれた人/
大阪公立大学現代システム科学域、教育福祉学類、
大阪公立大学大学院、現代システム科学研究科、現代システム科学専攻准教授
木曽陽子
イラスト/池田蔵人
取材・文/森 麻子
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