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支援のアイデア

揺れる思いに寄り添う保護者対応 ②


立ち話をしながら、「うちの子、ひとりあそびが好きですよね~」「のんびりしているから、友だちについていけないんですかね?」など軽い口調で保育者に話すことが増えてきた。
Bさんの心理
園でほかの子との違いを目の当たりにするにつれ、わが子の発達に対する違和感が高まり、その不安を自分では打ち消せなくなっている。そのため、保育者などに不安を打ち明け、「心配いらない」と言われることで、安心したいと感じている。

Bさんは今……モヤモヤ期

安易な「大丈夫」はNG。不安の解消より、
思いを受け止めて、一緒に向き合っていく関わりを

保護者がこぼすことばを聞き逃さないように

 保護者が、わが子の育ちへの違和感をこぼしてきたとき、安易に「心配ない」「大丈夫」と言うのは禁物です。保護者がそのようなことばに安心して、自分の違和感にふたをしてしまうと、問題が先送りになってしまうこともあります。まずは、「〇〇が心配なのですね」と不安を受け止め、保護者が心配していることにまつわる子どもの園での姿と、それに対する園の対応について伝えます。対応してうまくいったことと難しいことを伝え、難しい点については、「私も〇〇ちゃんにとっていちばんよい方法を探っていくので、一緒に考えていきましょう」と伝えるとよいでしょう。安易に保護者の不安を解消するより、その不安を受け止め、一緒に向き合っていく姿勢を示していくことが大切です。

子どものことで深く思い悩んでいる様子がうかがえる。日によって、子どもの支援に対する姿勢も異なり、言動に一貫性がない。子どもや保育者に感情的な接し方をすることも。
Cさんの心理
子どもに障害がある可能性を明確に感じ始め、不安が極限に達している。障害の有無をはっきりさせたいと思う反面、診断がついて「障害」が確定することへの恐怖もある。大きな葛藤のなかで、気持ちが日々激しく揺れ動いている。

Cさんは今……荒波期

心が嵐のように吹き荒れる保護者に揺さぶられず、
園全体で冷静に保護者を支え続けましょう

保護者の激しい言動は
不安や葛藤の表れ

 気持ちの不安定さゆえに生じる保護者の激しい言動に、動揺することもあるでしょう。しかし、保育者の気持ちが保護者と一緒に揺さぶられてしまえば、保護者を支えられなくなってしまいます。担任ひとりだけではなく、園全体で保護者を支える体制を固め、冷静に対応することが重要です。子どもにきつく接したり、保育者に無理な要求をしたりする保護者に批判的な感情を抱いてしまうこともあるかもしれません。しかし、そのような感情は保護者に伝わりやすく、保護者との関係を悪化させる場合もあるので注意しましょう。子どもや園に対する不適切な言動は、焦りや葛藤の表れです。保護者も苦しんでいることを理解し、気持ちに寄り添いながら、丁寧に話を聞いていきましょう。
教えてくれた人/
大阪公立大学現代システム科学域、教育福祉学類、
大阪公立大学大学院、現代システム科学研究科、現代システム科学専攻准教授
木曽陽子
イラスト/池田蔵人
取材・文/森 麻子
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