揺れる思いに寄り添う保護者対応 ③
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| 子どもの発達が気になり始めた保護者の心には、不安、混乱、悲しみ、怒り、葛藤など様々な感情が怒濤のように押し寄せます。そんな感情の嵐のなか、「子どものために」と歩みを進めていく保護者に寄り添い、支え続けるための支援のあり方を紹介します。 | |
![]() 明確な診断が出たり、周囲から「一緒にできることを考えよう」と励まされたりすることで、次第に「子どものためにできることを」という思いにシフトしてきている。 |
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Dさんの心理 わが子の障害を受け入れたように見えるが、認めたくない思いもあり、気持ちは揺れている。ほかの子と同じようにできないわが子の姿に落胆したり、余裕がないと子どもにきつく当たってしまう自分を責めて、つらくなったりすることもある。 ![]() Dさんは今……前向き期 |
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行きつ戻りつの保護者の気持ちを理解し、 子育ての伴走者として継続的な支援を |
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支援を進めやすくなる時期ではあるけれど…… 保護者が積極的に支援を模索するようになると、園との連携もスムーズになり、子どもへの支援が加速しやすくなります。しかし「前向き期」の保護者は、子どもの特性や必要な支援を理解しているがゆえに、「うちの子にはこういう支援が必要なので、園でも児童発達支援でやっていることと同じ支援をしてほしい」などの難しい要求をしてくる場合があります。そんな姿に保育者は困惑するかもしれませんが、この時期においても保護者は、「よい支援をしていくことで成長すれば、みんなと同じことができるようになるのではないか」といった思いがあり、気持ちが揺らぐケースも少なくありません。保育者は、揺れ動く保護者の気持ちを理解し、園でできる支援を一緒に考えていくことが必要です。 |
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Q1 最近、児童発達支援に通い始めた子の保護者から、「こんな支援を園でもしてほしい」という要望があり、困惑しています。 |
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A1 情報の交通整理をしましょう。 園と児童発達支援では子どもの育ちを促す上での役割が違うことを再確認するため、可能であれば子どもが通所している児童発達支援と園、保護者が集える場を設けましょう。まずは児童発達支援、園、家庭の各所で見られる子どもの姿を共有し、その上で「集団生活の園だからできること」「個別支援の児童発達支援だからできること」の情報を整理するとよいでしょう。 |
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Q2 保護者と関係を深めたいのですが、保育者1年目で頼りないと思われているようで、なかなか距離を縮めることができません。 |
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A2 子どもを「かわいい」と思う気持ちを伝えていきましょう。 子育ての悩みに的確な助言はできなくても、保護者と子どもの成長を喜び合える存在になることは可能です。保護者の信頼は、保育者としての経験値だけで決まるものではありません。まずは子どもとあそび、生活して関係を築き、そのなかで見つけた子どもの微笑ましいエピソードを保護者に伝えながら、徐々に関係を深めていきましょう。 |
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教えてくれた人/ 大阪公立大学現代システム科学域、教育福祉学類、 大阪公立大学大学院、現代システム科学研究科、現代システム科学専攻准教授 木曽陽子 イラスト/池田蔵人 取材・文/森 麻子 |



