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支援のアイデア

子どもの特性に着目!
友だちとなかよくあそぶための配慮

人とかかわるのが苦手なため、集団のなかで、「友だちとなかよくしたい」「一緒に楽しくあそびたい」そんな思いはあるのに、友だちとさまざまなトラブルを起こしてしまいがちな、発達に課題のある子どもたち。〝あそび〟や〝視覚支援〟について紹介します。日々の活動を通じて、子どもが、友だちとじょうずにかかわるふるまいや、コミュニケーション力を身につけるのに必要な保育のポイントを紹介します。
1 あそびや活動前にルール・約束を確認!
友だちとなかよくあそぶには、ルールや約束を理解し、守ることが必要です。しかし、発達に課題のある子の場合、ルールそのものの理解に困難さがあったり、あるいは、ルールはわかっていても、不注意や衝動性のためにブレーキがきかず、結果としてルールを守れなかったりすることもあります。一斉活動の前には、子どもと一緒にルールを再確認し、行動抑制を促すことが大切です。
個別に・・・
指示が通りにくい子には、個別にルール確認を。ルールや約束を一つひとつ紙に書きながら、子どもと確認していくことで、よりしっかりと意識づけすることができます。
クラス全体に向けて・・・
みんながルールを理解し、それを守ってあそべるようにしましょう。クラスの友だちがよいモデルになることは、発達に課題のある子にとって大きな支援になります。
2 よいところや得意がキラリと光る場を!
友だちとトラブルが多い子は、充足感が得にくいために行動が荒れ、またトラブルを起こすという悪循環に陥りがちです。トラブルを減らすには、子どもの心が満たされ、穏やかに過ごせる環境を整えることも大切です。子どもの得意なことやよい面が、クラスの子に伝わる場面をつくったり、ささいなことでもできたらたくさんほめたりして、日頃から、子どもが自己肯定感を高められるかかわりを心がけましょう。
3 「わかってないのかも」の前提で対応を考える!
多くの子は、人とのかかわり方や社会のルールを、生活のなかで自然と身につけていきます。しかし、発達に課題のある子は、ルールなどの目に見えないものを"自然と理解する"ことが困難です。周囲の期待に添うふるまいができないのは、わがままや悪気からではなく、どうすればいいのかがわかっていないからです。「わかっていない」を前提に、その子がわかる方法で伝えていくことが大切です。
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イラスト/妹尾香里
取材・文/森 麻子
監修/岡山大学大学院教育学研究科教授 佐藤 曉

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PriPriパレット 夏号
8ページに掲載
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