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支援のアイデア

どんなことしてるの? 児童精神科

発達障害の診断は医療機関が行います。診断を受けるのに適した年齢や、診断を受けたあとはどのような支援が必要なのかを、児童精神科医の宮尾先生に伺いました。
【児童精神科とは】
・小児科とは違う発達や精神の専門医。
・18歳まで診療(15歳までの病院もあります)。
・発達障害の診断をしてくれるところも。
・必要に応じて薬の処方、治療等を行います。
・ほかの医院同様、かかりつけ医として通院することができます。
子どもの場合、専門外来のある小児科、脳神経小児科などでも受診可能。18歳を越えると精神科や心療内科などで診察を受けます。
※発達障害の診療が行える医師の一覧はこちらから↓
日本小児神経学会HPより[発達障害診療医師名簿]
Q1 診断を受けるのに適した年齢を教えてください。
A 特性によって違います。自閉スペクトラム症は3歳くらい、ADHDは5歳くらいに。
自閉スペクトラム症(ASD)は1歳頃には特性が見られますが、受診が早すぎると専門医でも判断が難しいもの。ただ、就学前に集団生活への適応力をつけることが望ましいので、3歳くらいまでに診断を受けるのがベターです。一方ADHD(注意欠如・多動症)の子に見られるじっとできないなどの様子は、成長とともに落ち着く場合があり、受診は急がず5歳くらいまで待った方がいいでしょう。
Q2 診断されたあとは、どのような支援が必要でしょうか?
A 専門家と相談しながら特性に合わせた対応法を学んでいきます。
発達障害は生まれながらの脳の特性なので、完全に治癒することはありません。ただ、特性から起きやすい社会的不適応を改善していくことはできます。
「発達障害です」と診断されるだけでは受け止めることが難しいでしょうが、同時に具体的な治療方針を伝えてもらえると目標ができます。時間はかかるかもしれませんが、周囲は長い目で見守って支援を続けることが大切です。
他者の気持ちがわかりにくい、強いこだわり、感覚過敏などによるトラブルを未然に防げるよう対応法を学びましょう。本人はもちろん周囲も、関わり方や環境づくりなどを具体的に学ぶことで、スムーズに社会生活が送れるようになっていきます。
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取材協力/どんぐり発達クリニック(東京都)
イラスト/山村真代
取材・文/江頭恵子
構成/tobiraco編集室

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PriPriパレット 夏号
67ページに掲載
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