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支援のアイデア

乳幼児の発達 どう見る?②

発達の個人差が大きい乳幼児期の子どもたちですが、なかには「おや?」という発達上の気がかりを感じる子もいます。そんなとき、あなたならどうしますか? “様子見”の一歩先のかかわりを考えます。
「早期に気づいて、かかわる」ことは
保育のなかでこそできる かけがえのない支援
園は、子どもが抱える困難さにいち早く気づける場所
発達障害は先天的な脳の機能障害が原因といわれており、今のところ根本的に治すことが見込めるものではありません。しかし、周囲の大人が早くその特性に気づいて子どもに合ったかかわり方をすれば、発達障害による生きづらさを軽減することができます。また、成長発達の著しい乳幼児期は、特にその「かかわり効果」が出やすいというメリットもあります。
発達障害の特性は、集団のなかでこそ見えてくることが多いので、家庭では気づきにくいことにも、園では気づけることがあります。さらに、日頃から多くの子どもと接する保育者は、発達の違和感に気づく目を備えているうえ、気づいたらすぐに適切なかかわり方を工夫することができます。家庭以外で子どもが日常を過ごす主要な場である園は、発達障害の可能性にいち早く気づいて、かかわれる貴重な場なのです。
必要なのは、保育者の〝気づき〟と〝目的意識〟
視線が合いにくい、抱くといやがるといった子どもの様子から、「おや?」と感じる保育者は少なくありません。しかし、せっかく気づいても、「0~2歳では断定できない」「仮に発達障害だとしても、0~2歳児にできる支援がわからない」と思って、何もせずそのままにしてしまうことが多いようで、それはとても残念なことです。
もちろんこの時期に発達障害と断定することはできませんが、この時期のかかわりが無駄になることはありません。結果として発達障害でなかったとしても、丁寧な保育によって、その子の発達にはよい効果がもたらされます。
0~2歳児にできる支援といっても、難しく考える必要はありません。専門的な療育の知識や技法がなくても、いつもの保育にちょっとの工夫をするだけで十分なのです。子どもの弱い部分に気づいたら、そこをどうやって伸ばしていくかを考えましょう。それを保育の目的に据え、目的意識を持ってかかわることが大切です。同じ保育でも、目的意識があるかないかでその効果は大きく変わります。
教えてくれた人/順天堂大学医学部附属順天堂医院小児科 公認心理師・臨床心理士・臨床発達心理士 黒澤礼子
イラスト/コウゼンアヤコ 取材・文/森 麻子
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PriPriパレット 2022-2023年12・1月号

PriPriパレット 2022-2023年12・1月号

52ページに掲載

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