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支援のアイデア

はじめての性教育①

性教育は、「性=生殖」のように、誤解を持たれやすいことばです。しかし、本来の性教育は、「性=人権」という考え方を土台とし、自分のからだ、人間関係、そして社会とのつながりについて知り、「どのように自分が生きるか」を考えることです。これを「包括的性教育」といい、ユネスコの国際セクシュアリティ教育ガイダンスでは、幼児期から年齢別の指針があります。保育の中に包括的性教育を取り入れることは、子どもの人権の保障につながります。ぜひ、園でできることを考え、少しずつ実践を積み重ねていきましょう。
包括的性教育の第一歩として子どもに伝えたいこととは?
幅広い包括的性教育のテーマの中から、からだへの興味がわき始め、他者と関係を築き始める乳幼児期に保育の中で伝えたい内容をピックアップしました。
からだの権利
国際セクシュアリティ教育ガイダンスは、子どもが自分のからだを大切にして、守る力を育むための「からだの権利」を定めています。その中には、「自分のからだの、どこに誰がどのように触るかを決められるのは、自分だけ」といった内容が含まれます。周囲の人が子どもの「からだの権利」を尊重してかかわることで、子どもは「自分のからだは大切」という認識を持ち、自分だけでなくほかの人のからだも同じように尊重できるようになっていきます。
からだの名前とセルフケアの仕方
からだは大切なものだからすべての部位に名前があります。からだの部位の名前を知っていると、ほかの人にけがの痛みなどを正確に伝えるのにも役だちます。性に関するからだの部位にも、それぞれ名前があることを伝えましょう。性器の通称はバイアス(偏見)がかかった表現が多いので、科学的に正しい名前を使うことを推奨します。また、排泄や着替えなどを通してセルフケアのスキルを子どもに伝え、「自分のからだを清潔に保つと気分がよい」という感覚を養いましょう。
教えてくれた人/
宇都宮大学 共同教育学部准教授 艮 香織
イラスト/ノグチユミコ 
取材協力/あおぞら谷津保育園(神奈川県)
取材・文/古屋あさみ
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掲載されているのは

PriPriパレット 2023年8・9月号

PriPriパレット 2023年8・9月号

6・7ページに掲載

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