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支援のアイデア

偏食の子への対応②

\〝食べられない〟のはなぜ?/
感覚過敏感覚過敏

理由を知って支援につなげる
偏食がある子の〝食べられない〟理由は様々で、その程度も子どもによって違います。まずは、どんな理由があるのかを探り、支援につなげていきましょう。
保護者と連携し、理由に合わせた支援を
〝食べられない〟理由にはどんなものがあるのでしょう。例えばこだわりがある、はじめてのことが苦手といった自閉スペクトラム症(ASD)に多い特性が、偏食として表れる場合があります。また、口の中の動きが不器用であることが関係している場合や、感覚の過敏さや鈍感さが理由で、食べられないことも少なくありません。運動量が少なく、空腹を感じにくくて食べない場合もあります。
保護者と協力して〝食べられない〟理由を推測し、それに合わせた支援をスモールステップで進めましょう。食べられる食材の増加は子どもの自信につながり、心と体の成長にもプラスになります。
偏食は改善できるとよいですが、無理強いするとストレスとなり、さらなる偏食につながるケースも。何よりも〝食べられる〟ことを嬉しいと感じることが大切です。園で楽しく食べられる環境づくりを最優先しましょう。
こだわりが強い
「〇〇でないとダメ」というこだわりで食べる食材が限定されたり、同じ食器でないと食べなかったり。特定のメーカーに固執し、同じ商品ばかりを食べるケースも。

<支 援>
こだわりの食器や食べ物を家庭から持参しても

食器にこだわりがあり、園の食器では食べない場合、家庭から食器を持参してもらっても。逆に園の食器を家庭に持ち帰り、慣れてもらってもよいでしょう。また、食べられる食材を家庭から持ってくるのをOKとしても。
消費エネルギーや、必要エネルギーの問題も
活発に運動する機会が乏しいと、消費エネルギーが少なく、お腹が空かず食べる気にならない、食べるときは好きなものだけという状態になりがちです。また、消費エネルギーの問題だけでなく、元々必要とするエネルギー量が少なかったり、空腹を感じにくいタイプの子もいたりします。食べる量が少ない子は、必要なエネルギー量が少ないタイプかもしれません。
口腔内の不器用さ
食べられない原因には、口腔内の不器用さも。食べ物を噛んで飲み込みやすい形状にまでするには、口の中で様々な動きが必要に。舌の動きが悪いと、食べ物を噛んで唾液と混ぜてまとめる咀嚼がうまくできません。

<支 援>
丸飲みの改善に練りむすびで噛む練習を

ご飯を丸飲みする子には、噛む練習用として、ご飯をつぶして丸やスティック状に整えた練りむすびを。軽く握るだけだと口の中でほぐれ、そのまま飲み込んでしまうので、くずれないようにつぶして練るように握るのがポイントです。
教えてくれた人/
小児科専門医、小児神経専門医 田上幸治
管理栄養士 藤井葉子
イラスト/たにざきまほ 
撮影/五十嵐 公
磯﨑威志(Focus & Graph Studio)
中島里小梨(世界文化ホールディングス)
取材・文/仲尾匡代(P.4〜13)
お知らせカテゴリー

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掲載されているのは

PriPriパレット 2025年10・11月号

PriPriパレット 2025年10・11月号

4,6,8,10,12ページに掲載

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