発達支援の最前線【5歳児健診】
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| 子どもの発達に関する課題の有無を医師が判断することで、必要とされる支援の確実な実施を促すための取り組み、「5歳児健診」実施の動きが、全国の自治体に広がりつつあります。健診の目的と概要、保育現場に求められる対応などについて詳しく紹介します。 | |
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より幅広く、幼児の発達状況を確認する 現在、乳幼児を対象にした健康診査のうち、市町村に実施が義務付けられているのは、「1歳6か月児健診」と「3歳児健診」のみです。また、任意とされている「3〜6か月児」「9〜11か月児」の健診についても、全国的に広く実施されています。 国は、出産後から就学前まで、一層切れ目のない健診実施を目指し、2024年から「1か月児」および「5歳児」を対象とする健診について、実施費用を国庫補助する支援事業を展開し、2028年度までに実施率を100%にすることを目指しています。 このうち、「5歳児健診」は、小学校入学に向けて、子どもの発達状況を医師や保健師が確認することを目的としています。年中クラスにあたる5歳児は、おしゃべりがじょうずになったり、友だちとルールのあるあそびをしたり、集団のなかで生活ができるようになってくる時期で、これまでにはなかった困りごとが出てくる年齢でもあります。 「5歳児健診では、ほかの定期健診と同様に、身体と目や耳の発達を調べるのに加えて、自分の気持ちを伝えたり、逆に相手の気持ちを汲むことができるかどうかを確かめたり、毎日の生活の様子について保護者に問診したりします。発達のことだけでなく、生活習慣をはじめ、日頃気になっていることを気兼ねなく相談できる機会でもあります」 (福岡大学医学部小児科 主任教授 永光信一郎さん) |
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[ 5歳児健診について ]![]() 4つの実施方式 集団健診 市区町村の保健センター等で健診を実施する 個別健診 医療機関に委託して健診を実施する 巡回方式 保育所等を訪問して健診を実施する 園医方式 園医が毎年行う健診を5歳児健診として実施する 対象となる幼児全てに聞き取りやアンケートによるスクリーニングを行った上で、発達に課題があるとされる幼児を対象に医師が診察を行う「二段階方式」で健診を実施する場合も |
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保育者に期待される役割とは? 1.子どもの発達についての情報を医師等に共有する 日頃から子どもの成長や園での様子について保護者に正確に伝えることに加えて、医師や保健師からの問い合わせに応じて、必要な情報を提供する(保護者の同意が必要) 2.カンファレンス参加など、健診チームの一員として活動する 5歳児健診の意義を正しく理解した上で、要請があった場合に、健診チームの一員として事前・事後のカンファレンスや問診に参加する 3.健診の結果を踏まえて保育活動を行う 健診の結果、発達障害をはじめとする課題があると指摘された場合、子どもの発達状況に応じた適切な保育を提供しなければならない 4.5歳児健診について情報を正しく理解する 「5歳児健診ポータル」(上記)などを参考に、子どもと保護者が必要とする支援に確実につなげるという健診の目的や、その実施内容について正しい知識を持つ |
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福岡大学医学部小児科 主任教授 永光信一郎 イラスト/三好未菜 取材・文/柴野 聰 |


