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支援のアイデア

「怒りっぽい子」への対応②

ちょっとしたことで興奮して、友だちに手が出てしまったり、激しく泣いたりする子どもがいます。保育者がなだめても、気持ちを切り替えられない場合も。どのように対応したらよいのか、実例をもとに考えます。
思い通りにならないと泣き叫んだり
他者をたたいたりするAさん

発達がゆっくりで、自分の思い通りにならないと怒って、すぐに泣き叫んだり、ほかの子とトラブルになるとたたいたりする3歳のAさん。
落ち着いてあそべる環境を用意する
発達がゆっくりな子どもは、欲求や不満を抑える力の育ちも緩やかです。気持ちを抑えられず、泣き叫んだり友だちをたたいたりなど、直接的な行動になることも。ことばで気持ちを伝えられないときは、怒りや拒否で表現します。
このような子どもには、〝好きなものに触れて落ち着ける場所を用意する〟〝同じおもちゃを複数用意して取り合いを防ぐ〟など、怒りや不安の要因となりやすい場面を未然に防ぐ環境を用意することが大切です。
園での支援実例
Aさん専用で過ごせる場を準備する
「これは○○さんが使っているから待ってね」と言っても、納得したり理解したりするのが難しいAさん。マットを敷いてAさん専用のスペースとし、あそぶものやスペースをわかりやすくしました。まわりの子にもわかりやすく、取り合いやトラブルが減りました。
気持ちを代弁して切り替えをサポート
ほかの子のおもちゃが欲しくて怒っている場面では、「これを使いたかったんだよね。お友だちが使っているね。こっちであそぼうか」と声をかけて別のおもちゃを見せ、気持ちを代弁して切り替えを促しました。気持ちが落ち着かないときには、抱っこやAさんの好きな歌で切り替えられるように関わっています。

小さな失敗でかんしゃくを起こし、
再挑戦を拒否するBさん

5歳のBさんは、製作や運動の時間などでうまくできないと、「もうやらない!」とかんしゃくを起こします。保育者が励ましても「失敗したからイヤ!」と、再挑戦を極端に嫌がります。
スモールステップで成功体験を重ね、次への意欲につなぐ
失敗に対する耐性が弱い子どもは、苦手なことやうまくいかないことを受け入れにくい傾向があります。また、失敗や不安が怒りに変わりやすく、思い通りにならないと、かんしゃくを起こしたり、パニックになったりすることも。一方で、得意なことには集中して取り組む一面もあります。
子どもが好きな活動をたくさん取り入れながら、少しずつ「これならやってもいい」と思えるように、活動の幅を広げていきましょう。
園での支援実例
失敗への不安を軽減することばかけを
安心してぬりえや製作に挑戦できるよう、「(線から)はみ出ても大丈夫」「難しいところは先生がお手伝いするよ」など、失敗への不安を軽減するようなことばかけを意識しました。小さな成功体験にもつながり、「やってみよう」という気持ちが少しずつ見られるようになりました。
非日常の活動は
絵カードや写真で予告

身体測定や避難訓練など日常と異なる活動や、発表会などの行事では、特に失敗への不安が強くなるBさん。事前に当日の流れを絵カードや写真で提示し、「何をするか」「どうなったら終わるか」の見通しを明確にすることで心の準備ができ、失敗を極端に恐れることなく過ごせることが増えてきました。
公認心理師、臨床発達心理士 白馬智美
イラスト/ナカムラチヒロ
取材・文/こんぺいとぷらねっと
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