身辺自立が進みにくい子への対応②
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| 食事や排泄、身支度に時間がかかるなど、身辺自立が進みにくい子がいます。少しずつ自立へと向かってほしいけれど、どう対応すべきか迷うケースもあるでしょう。子どもが自分でやろうとする力を育む対応を考えます。 | |
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「身辺自立が進みにくい子」の背景 ●発達がゆっくりで、何をしたらよいかわからない ●こだわりが強く、不安を感じやすい ●不器用で、すぐに諦めてしまう ●落ち着きがなく、飽きっぽい |
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不器用で、食べこぼしが多く、 食事が進みにくいCさん 4歳のCさんは手先が不器用で、食事の際にも食べこぼしが多く、洋服を汚してしまうこともあります。保育者に注意されると、怒ったり、食べるのをやめてしまったりすることもあります。 |
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食べやすく失敗しにくい環境を工夫する 手先の動きが不器用だったり、体の協調動作が苦手な子どもは、思うように食具の操作ができず、失敗をくり返すことがあります。怒ったりやめたりするのは、悔しさや不安が強くなっているサインの可能性も。本人の努力だけでは成功体験を積むことが難しいので、姿勢を保ちやすいグッズを使う、使いやすい食具を選ぶなど、食べやすく失敗しにくい設定を工夫します。少しずつ成功体験を積むことで、「また挑戦しよう」という意欲を引き出していきましょう。 |
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園での支援実例
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食べやすい姿勢がキープできる工夫 いすが高すぎて足が浮いた状態だと、体幹が不安定になり、手や口の動作がぎこちなくなります。そこで体にいすが合うよう、足台やクッションなどを使って、姿勢を安定させるようにしました。机の高さは、机に手を置いたときに肘の角度が90度になるように調整するのが理想的です。 ![]() 写真のいすは、背もたれに防災ずきん、座面に滑り止めシート、足台を置いている。 |
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できたプロセスをほめる 「こぼさないで」「もっとゆっくり」と注意するのではなく、できている行動に目を向けて、取り組みの過程を認めるようにしました。例えば、「スプーンを口まで運べたね」「座って食べているね」など。そのうち、失敗しても「また挑戦してみよう」という意欲が見られるようになりました。 |
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![]() 落ち着きがなく、 トイレの失敗が目立つDさん 5歳のDさんは、排泄自体は自立しているのに失敗することがよくあります。あそびに夢中でタイミングを逃したり、声をかけても「後で」と先延ばしにしたり。トイレに行く途中で、別のあそびを始めてしまうこともあります。 |
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指示は、具体的で簡潔に Dさんのように好奇心が強い子どもは、ほかのことに気を取られて注意が持続しにくい、やりたいことを我慢できないなどの傾向があります。そのため、何かをやり切る経験が少なくなり、意欲や達成感をもちにくい場合も。 このような子どもは具体的な指示があると、今やることがわかり動きやすいので、「ズボンを脱ぐ」「手を洗う」など、短いことばやシンプルなイラストで伝えるとよいでしょう。トイレカードを用意して行く先を明確にする、ゲーム感覚でモチベーションを上げる方法も有効です。 |
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園での支援実例
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![]() タイマーなどで事前予告 Dさんはあそびの途中で急にトイレに誘われると、あそびを邪魔されたと感じて怒るなど、気持ちの切り替えが難しいようでした。そこで、「タイマーがなったらトイレに行こうね」と予告をすることに。保育者が言ったからではなく、タイマーがなったから行くようにしたことで、すんなり受け入れられることが増えました。 |
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教えてくれた人/ 公認心理師、臨床発達心理士 白馬智美 イラスト/ナカムラチヒロ 取材・文/こんぺいとぷらねっと |



