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ネガティブことばと向き合おう

ネガティブことば4種の対応(後編)

ネガティブことば4種の対応(後編)

ネガティブことばは、ことばそのものよりも、なぜ出てきたかを考えると解決に近づきます。そうしたことばが出てくる背景を4つに分け、対応策を紹介。その後編2つをお届けします。 

なんで出ちゃうの!?
パターンC グループ意識が強まりのけものをつくるため
5歳ごろになると、子どもたちのなかでグループ意識が強くなります。なかよしの子をつくり、いつでも一緒にいようとしたがることも。そのようななかでグループに入っていない子に対して「じゃま」「どいて」「こないで」などといったネガティブことばが出てきてしまうのです。

解決 「自分が言われたらどんな気持ちになる?」と問いかけを
プライドを持つようになるころでもあります。「〇〇ちゃんもいれてあげて」と、保育者が声をかけるのはよくありません。子どもたちが気を使ってしまい、ギクシャクとした関係になることもあります。この場合、ネガティブことばを発する子と二人になり「もしも同じことをあなたが言われたらどんな気持ちになる?」と問いかけ、自分で気づけるように促すことが大切です。

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パターンD 個人差を理解できず、自分と同じと思うため
発達や家庭環境などさまざまな理由で、子どもたちには個人差があります。しかし、そのことを理解できず、自分と同じようにやってほしいと思ってしまう子も。そのため、「早くしなよ」「なんでできないの?」などとことばをかけてしまうのです。

解決 発達や個性の違いをきちんと伝えよう
まずは「そのようなことを言ってはいけないよ。そんな態度をとるのもダメ」とはっきり伝えましょう。そのうえで、なぜそのような違いがあるのか、子どもたちにきちんと説明するとよいでしょう。また、いつも遅刻する、家庭の指導がまったくなくて着替えが遅いなど、家庭の努力で補える場合は保護者に働きかけることが大切です。

年齢ごとの対応
3歳 「しょうがない」と納得するのが難しい時期。このパターンのことばが多い子には、保育者が付き添い「まだ一生懸命準備しているから、先に行こうか」などとさりげなく声をかけて、未然に防ぐとよいでしょう。

5歳 5歳ごろになると、難しいことも理解できるようになります。発達の違いにより出てくる差も「同じ年齢でも、生まれ月が違うから、違いができるんだよ」などと説明をしてみるとよいでしょう。

監修/植松紀子先生
臨床心理士。日本大学講師。神奈川県内の児童相談所や「こどもの城」小児保健部での勤務を経て、現在はアドバイザーとしてさまざまな保育園や幼稚園を回り指導を行っている。

取材・文/香山倫子(KWC) イラスト/山口まく

 

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PriPri プリプリ 2018年6月号

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84,85ページに掲載

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