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支援のアイデア

特定の状況で話せなくなる 場面緘黙

場面緘黙の背景にある特性
家では話せるのに、園では話せない。保育者とは話せるのに、友だちとは話せない。こうした場面緘黙の症状は、子どもの意志や性格によるものではありません。知らない場所はだれだって不安。場面緘黙の子どもには、不安になりやすい気質があります。
脳内にある、恐怖や不安などの感情をつかさどる「扁桃体(通称 アーモンド)」は、特定の社会的環境で強い恐怖を感じたときに、身体を防御態勢にもっていきます。ことばの意味もわかるし、話したい気持ちもあるのに、「声を出すな」と扁桃体が指令を出し、制御してしまうのです。
まずはことば以外のコミュニケーションで
無理に話させようとするのではなく、ことば以外のコミュニケーションで信頼関係を築きましょう。原因別に対応を考えるのはそれからです。
場面緘黙の子どもが抱える不安を軽減するためには、子どもが何に困っているのかを探ります。緊張しやすい子どもなら、気楽に過ごせる友だちと一緒に過ごす、自信のない子どもなら、得意なものをほめて自尊心を保障するなど、どうしたら子どもが安心できるかを原因から考えましょう。
そして、園長先生といれば安心、ミニカーを握っていればにこにこしていられるなど、「こうすれば大丈夫」という対応が見つかったら、ぜひ、保育者がことばにして、その方法を子どもに教えてあげてください。子ども自身が、自分をリラックスさせる力を持てるようになることが大切です。
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教えてくれた人/帆足暁子
イラスト/川合翔子 取材・文/南部 茜

この記事が詳しく掲載されているのは
PriPriパレット 夏号
70ページに掲載
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