友だちも 保育者も
環境の一部②
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生活の流れが身につきにくい、クラスに馴染めない。そんな子にも、安心して乗れる〝流れ〟をつくってあげたい。そんな思いを実現する鍵は、保育の基本のなかに隠れていました。 | |
信頼関係を築くことが支援の根幹 もうひとつ、クラスの流れに乗れない子への手だてを行うために欠かせないのが、保育者と子どもの間の信頼関係です。とりわけ発達に課題のある子とかかわるうえで、信頼関係は支援の土台といっても過言ではありません。 人はだれでも自分の望んだことに、いつも誠実に応えてくれる相手に信頼を寄せます。それは発達に課題のある子も同じです。しかし、この子たちは、望んでいることや興味の対象がわかりにくいため、保育者は、その思いに応えられないばかりか、望まないことを要求してしまうことすらあります。それが関係性の構築を難しくしている大きな原因です。子どもの思いを100%理解することは困難ですが、わからないからこそ、保育者の価値観や都合で動かそうとするのではなく、「この子は何を望んでいるんだろう」とつねに自問し、子どもを理解しようとかかわり続けていきましょう。 |
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教えてくれた人/岡山大学学術研究院 教育学域教授 佐藤 曉 イラスト/モリ ナオミ 取材・文/森 麻子 |