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支援のアイデア

いつ? 何する? 就学相談①

特別な支援が必要な子の就学先を検討するために、就学相談が行われます。その大まかな流れを特別支援教育の専門家である、久保山先生の解説でご紹介。
子どもの育ちに適した就学先を選ぶために
特別な支援が必要な子の就学先を検討する際、保護者は子どもの力を最大限伸ばせる環境について、専門家と一緒に考えることができます。就学先を検討し、決まるまでのプロセスをまとめて「就学相談」と呼びます。この呼称は自治体によって異なりますが、大体の流れや内容は同じです。
大まかには、①自治体と保護者が話し合い、②子どもの情報を共有する共有した内容をもとに、専門家が就学先や必要な支援を話し合うという二段階に分けられます。 
特別支援学級や特別支援学校を希望する場合は、就学相談は必須。また就学への心配や迷いがあるときも、まずはこの就学相談を活用して相談するのが、はじめの一歩です。 申し込みは保護者が行います。園は自治体からの就学相談の情報を確認し、お知らせを掲示するなどして、保護者にわかりやすく伝えるとよいでしょう。
就学相談を保護者に勧めるときは
園から就学相談を勧めたくても、通常の学級以外はよく知らない、我が子には関係ないと思っている保護者は少なくありません。そこで急に「特別支援学級には……」などと、就学先の話をするのは避けましょう。園では個人面談などで、その子に対して保育者が行っている支援を伝え、保護者と共有することから始めるとよいでしょう。たとえば「みんなが絵を描く時間にプラス10分あると仕上げられるんです」、「静かな場所に移動したら集中してできました」というようにです。その様子を保護者が認識できていると「小学校でもこんなお手伝いがあると過ごしやすいと思いますよ」と、保育者から就学相談の話がしやすくなります。就学相談では保護者の意向も大切にされ、相談を重ねて就学先を決定します。学校見学や専門家の助言を受けることで、どんな環境で学ぶことが子どもにとってよいのか深く考える機会になります。

教えてくれた人/独立行政法人国立特別支援教育総合研究所インクルーシブ教育システム推進センター 上席総括研究員(兼)センター長 久保山茂樹

イラスト/松木祐子  取材・文/小栗亜希子

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PriPriパレット 2022年6・7月号

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