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ともに育つ クラスづくり

そろそろ新しい年度、新しいクラスの始まりです。キラキラ輝く多様な個性の子どもたちと一緒に、あなたは、どんなクラスづくりを目指しますか?一人ひとりの個性を認め合い、育ち合う、そんなすてきなクラスづくりを、一緒に考えてみませんか?

一人ひとりが大切にされる
みんなが居心地のいいクラスを目指して
子どもは、子どもとのかかわりのなかで育つ
保育は、同年代の子どもからなる集団生活を基盤にした〝いとなみ〟です。「集団」という環境のなかで、子どもは、家庭での生活やひとりあそびだけでは得にくい様々な体験を通じて、成長していきます。
幼児期の子どもたちとかかわる際、保育者が最初に尽力すべきは、それぞれの子どもとしっかり関係を築くこと。そのうえで、個々の育ちに応じて丁寧にかかわりながら「個」の育ちを支えることです。その一方で、忘れてはならないのが、「集団」に着目した子どもへのアプローチです。子どもは、子ども同士のかかわりを通じて、互いに影響し合ったり、刺激を受け合ったりして、多くのことを学びながら育っていきます。「集団」には、元来、子ども同士の育ち合いを促す力が秘められていますが、その力を十分に発揮させるためには、クラスを構成する子どもたちに、仲間を認め、受容する土壌がつくられていることが重要なポイントになります。
互いに認め合えるクラスの土壌づくりを
「インクルーシブ」ということばが保育現場でも広く知られるようになりました。「障害のある子もない子も、みんなが同じ場所でともにあそび、学び、育つ」というインクルーシブの考えを元に、子どもの特性に応じた「合理的配慮」を保育に取り入れる園も増えています。インクルーシブな保育を実践する際も、集団の力は重要な鍵になります。抽象的な表現になりますが、保育において「クラスの雰囲気」はとても大切です。雰囲気がよく、居心地のいいクラスだと、子どもは安心して過ごせるので、心にゆとりが生まれ、人への関心や活動への意欲が高まるなど、よい〝育ちの循環〟ができます。
居心地のいいクラスとは、子ども同士が互いの違いを受け入れ、多様性を認め合えるクラスです。そのようなクラスでは、困っている子がいれば、周りの子が自然と手を差し伸べ、応援してくれます。いつもはできないことができた子がいれば、周りの子が一緒に喜んでくれます。集団行動に苦手さのある子は、周囲から「変わった子」と思われ、クラスに居場所がなくなりがちです。そのような子が安心して過ごせる「みんなにとって居心地のいいクラス」をつくるには、保育者がクラスの子一人ひとりを認め、受容する姿を見せ続けることが大切です。そうすることで、クラスの個が育ち、集団が育ち、やがて、子どもたちが育ち合うクラスとなっていくでしょう。
教えてくれた人/
武蔵野短期大学客員教授・同附属保育園所長 酒井幸子
こども教育宝仙大学 こども教育学部幼児教育学科教授 守 巧
イラスト/金子典生 取材・文/森 麻子
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PriPriパレット 2023年4・5月号

PriPriパレット 2023年4・5月号

6〜9ページに掲載

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