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支援のアイデア

きょうだい児の気持ち②

病気や障害のある兄弟姉妹(きょうだい)をもつ子を「きょうだい児」といいます。特性のある子のきょうだい児は、幼いながらもきょうだいとの関係性やまわりの大人からの対応に悩み、ジレンマを抱えていることも。最近、注目されている「きょうだい児」をめぐる課題について、園でできる支援を考えてみましょう。
知ってほしいきょうだい児の気持ち
きょうだい児は、当該児や周囲とのかかわりで複雑な思いを抱くことも。さまざまなケースを紹介します。
まわりの大人が当該児に注力するほどモヤモヤした気持ちに
保護者は、発達の特性のあるなしにかかわらず、子どもには平等に愛情を注ぎたいと思っています。しかし、さまざまな場面や特性によっては、当該児を優先せざるを得ないことも。たとえば当該児がガマンできないからと「そのおもちゃをお兄ちゃんに貸してあげて」などと言ってしまう場合もあるでしょう。そうした対応が習慣化すると、きょうだい児は「いつも、お兄ちゃんのことばかり……」とモヤモヤした気持ちになります。また「ぼくのことは、どうせ見てくれないから……」などと、最初からあきらめてしまうケースも。幼児期のこうした理不尽やあきらめを感じた経験が、その後のきょうだい関係に深く影響を及ぼす可能性もあるのです。
根底にあるのは自分を認めてほしいという思い
きょうだいの関係は、発達の特性や当該児が長子か末子かなど、さまざまな要因で違いがあります。前述のような例は、とくに年齢が近いきょうだいによく見られます。年齢が離れていて、下の子に特性がある場合は、上の子が理解を示してくれたり、手伝ってくれることなども。しかし、そこには「役にたつことでママやパパに認めてほしい」という複雑な気持ちを抱いているケースもあります。
保護者や保育者は、アンテナを張ってきょうだい児の心の声に耳を傾けましょう。

※発達に特性がある子を、本文中では当該児としています。
教えてくれた人/
奈良県立医科大学医学部
看護学科 小児看護学教授 川上あずさ
イラスト/くすはらくぅ
取材・文/麻生珠恵

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掲載されているのは

PriPriパレット 2023年10・11月号

PriPriパレット 2023年10・11月号

52・53ページに掲載

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