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支援のアイデア

ことばかけQ&A①

ほめることばかけが大切だとわかっていても、実際の保育の場面では、迷うこともたくさんあります。「ほめる」にまつわる質問に答えていただきました。
Q1 ほめてばかりだと、大人の顔色をうかがう子になってしまいませんか?
A ほめる行為自体が顔色をうかがうことに直結しません。保育者は自分の行動を見直して
顔色をうかがうように見える行動には、二つのケースが考えられます。
ひとつは、ほめられている、または、叱られていることはわかっても、なぜほめられたのか、なぜ怒られたのかがわかっておらず、行動をした後に保育者の反応を見てこれはどうだったのだろう? と確認しているケース。このような子どもには、ほめるときに、「片付けてくれてありがとう」「歯みがきできたね」などと、どの行動についてほめたのかを具体的に伝えるようにしましょう。
もうひとつは、保育者が気分次第で、ほめたり叱ったりすることで、子どもが混乱しているケース。保育者は、同じ行動に一貫した対応をとり、冷静に行動しましょう。
Q2 どこをほめてよいかわかりません
A 温かいまなざしを子どもに向け、小さな成功を見つけて
ほめるとは、温かいまなざしを向けるということです。すごいことやがんばったこと、達成したことだけをほめようと思わず、日常にある小さな成功を見つけましょう。
朝、くつを脱いでくつ箱に入れていたら、「くつをひとりで脱げたね」「くつ箱にしまったね」。自分の椅子に座らず走り回っていたとしても、いつかは座るかもしれません。そうしたら、座った瞬間をキャッチして「座ったね」。
できて当然と思わず、ささいなことでもできていることをことばにして伝えてみましょう。
Q3 支援の必要な子を意識してほめていると、ほかの子どもが「◯◯ちゃんはできていないのにほめられてずるい」と言います
A ほかの子どももたくさんほめて
識して小さな成功を見つけていこうという試みは素晴らしいことです。ほかの子どもがずるい! と反応するのは保育者がじょうずにほめているからでしょう。しかし、支援の必要な子どもだけでなく、どの子どももほめられたいのです。どの子どもにも、ほめる、認めることばかけを少し意識してやってみましょう。保育者の行動がモデルとなり、子ども同士で認め合うやりとりが生まれるかもしれません。
教えてくれた人/大正大学 臨床心理学部 臨床心理学科教授
井澗知美

イラスト/ハバメグミ
取材・文/こんぺいとぷらねっと
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PriPriパレット 2024年8・9月号

PriPriパレット 2024年8・9月号

16-17ページに掲載

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