「切り替えられない子」への対応②
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園で見られる「気持ちが切り替えられない」子どもの姿。背景や特性に応じて現れる姿は異なり、必要な支援も異なります。この連載では、園での事例を取り上げ、支援のあり方を学びます。 | |
CASE 1
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切り替えの手順をシンプルに あそびを終わらせられない子どもに、「あとであそべるよ」と伝えて気持ちの切り替えを促すことがあります。しかし、抽象的なことばが理解できない子どもには、「あとで」など、いつを指すかが具体的でないことばは伝わりません。 そのような場合は、「〇〇をしたら△△」といったルーティンとして覚えられるよう、やるべきことをシンプルにします。同じ手順でくり返すなかで、生活のルーティンとして定着を促しましょう。 ASDの子は視覚優位な傾向にあるので、指示を出すときは、絵カードなどの活用もおすすめです。 |
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園での支援実例
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1ステップで片づけられるフィニッシュボックス 「片づける」ことが理解できないまま、友だちの動きにつられて走り回っていたAさん。そこでAさん専用のおもちゃ箱を用意して、片づけの時間になったら、使ったおもちゃを入れることにしました。加配の保育者と毎回一緒に行い、「片づけ=おもちゃを箱に入れる」という動きをくり返すことで、徐々に身につきました。 |
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CASE 2
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「おしまい」の流れをパターン化 保育者は、毎日のことだから「言えばわかる」と思いがちですが、実は周囲の友だちの様子を真似しているだけ、という場合も。そのような子には、「おしまい」のことばや動きを、しっかり伝えましょう。 「おしまい」ということばに不安を感じる子の場合は、「楽しかったね」など、別のことばで終わりを伝えても。 おしまいの流れやパターンをつくり、経験を積み重ねていけるとよいでしょう。 |
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園での支援実例
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おしまいの合図はいつも同じ「10カウント」 Bさんは「外あそびを終わりにする=部屋に入る」という生活の流れを理解できていませんでした。「今は何をする時間だっけ?」ということばかけも、Bさんにはわかりにくかったようです。そこで、「10数えたらおしまいだよ」と伝え、いつも同じパターンであそびを終えるようにしました。 |
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公認心理師、臨床発達心理士 白馬智美 イラスト/ナカムラチヒロ 取材・文/こんぺいとぷらねっと |