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特性に配慮して防ぐ熱中症
①症状の見極めと予防

暑い夏に心配なのが、熱中症。子どもは大人よりもリスクが高く、注意が必要です。発達に課題のある子どもの場合、水分補給が容易ではないケースも少なくありません。熱中症の原因や予防、水分補給の工夫について紹介します。
症状の見極めと予防
熱中症の初期段階は、体温を測ることで簡単に確認できます。子どもの場合、体温が37・5度以上になり、そこから上がっていくかどうかがひとつの目安です。体温の上昇を確認するには、こまめな体温チェックが必要です。38度あったら、すぐに涼しいところに移動させて、水分補給をしながら様子を見ます。
熱中症の予防は、まず、高温の環境にいる時間を減らすことです。猛暑日で気温が35度以上なら、外に出ず、エアコンの効いた部屋で過ごすようにします。日光を浴びないことによる健康への問題を気にする人もいますが、栄養状態のよい現代では、夏場の猛暑時に陽に当たらないからといって、問題はありません。無理して外あそびや散歩をすることで、むしろ、子どもたちを熱中症のリスクにさらしてしまうことになります。
気温が30〜34度なら、帽子をかぶり長袖を着て、日が傾くころに短時間だけ外あそびをするなど、状況に応じて対応してください。暑い日でも、風があれば汗の蒸発で熱が下がりやすく、熱中症のリスクも減ります。反対に、日陰にいても風がなく湿度が高いと、汗が蒸発しないので、体に熱がこもりやすくなります。
また、水分補給が極めて重要です。飲みたいだけ飲ませてください。子どもの場合、尿を濃縮する力が弱く、尿からも水分が出てしまうので、脱水になりやすいのです。
反対に嫌がって「飲まない」場合、その原因を探る必要があります。発達に課題のある子どもの中には、こだわりの強さや偏食があって、水分補給が難しいことがあるでしょう。水やお茶と決めずに、飲めるものを飲ませてください。ただし、水分は食べ物からも摂取しているので、体温に変化がなく元気であれば、必要な水分量はとれていると考えてよいでしょう。
予防のポイント まとめ
水分を補給する
●どんどん水分を飲ませる。
●飲みたいだけ飲ませてよい。
●水やお茶などに限定せず、子どもが 飲みやすいものを与える (水は白湯でなくともよく、水道水でも 問題ない)。
高温の環境にいる時間を減らす
【気温35度以上の猛暑日】
●外あそびや散歩は控え、エアコンの効いた室内で過ごす。
【気温30〜34度の晴れた日】
●外での活動は帽子をかぶり、長袖の服を着る。
●外での活動時間を短くする。
●必要があれば、涼しい日陰に移動する。
※晴れていなくても、気温と湿度が高く風のない場合は、熱中症のリスクが高まるので注意が必要。
8/4公開「特性に配慮して防ぐ熱中症 ②水分補給方法5選」で水分補給の工夫を具体的にご紹介します。
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教えてくれた人/お茶の水女子大学名誉教授 榊原洋一
イラスト/nanako
取材・文/こんぺいとぷらねっと

この記事が詳しく掲載されているのは
PriPriパレット 夏号
28ページに掲載
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