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インクルーシブ保育をどう始める?

多様な子どもたちの一人ひとりを受けとめ、インクルーシブ保育を展開するには、より総合的で多面的な視点からの子ども理解が求められます。多面的な視点をつくるのに必要となるのは保育者たちの協働です。それでは、園で協働を生むには、どうすればよいのでしょう?
問題意識や目標の共有から
インクルーシブな保育に変わるきっかけは、気になる子の保育を「どうしよう?」と保育者たちが話し合うところから始まることが多いようです。ときには意見の衝突、その子への見方、保育への思いがすれ違うことも。しかし、よりよい保育を探す共通の目標をもち、互いの見方の違いも認め合い話し合っていけば、必ず「次の」保育につながり、どの子にもうれしいインクルーシブな保育が生まれます。 また、運動会など全体行事も保育が変わるきっかけに。これまでのやり方では参加しにくい「その子」たちも、どうすれば参加できるのか? ここから、計画を見直し、新たな演目に変えるなど、行事は園の保育の見直しにつながりやすいのです。
クラス単位で始めることも
園全体でなくても、ひとつのクラスからでも、インクルーシブな保育は始められます。たとえば製作で、どの子でも作れるような題材にすれば、その子の製作も認められ、インクルーシブ的な保育となります。保育室で食事ができない子がいた場合、その子も食べられる場所でほかの子も食べることにすれば、インクルーシブ的な対応になります。その際に、今後の協働の意味でも、そのように変更する意図を、ほかの保育者にも知らせ理解を得ておく方が望ましいでしょう。
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教えてくれた人/放送大学客員教授 太田俊己
イラスト/後藤美月
取材・文/仲尾匡代

この記事が詳しく掲載されているのは
PriPriパレット 夏号
32ページに掲載
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