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支援のアイデア

園での支援をクラス全体に話す際の
配慮ポイント5選

発達支援の視点で保護者会を
園での支援の話をする際は、特定の子にフォーカスするのではなく、一般的な話から始めます。園の保育方針として、どの子に対しても目を配り、心を寄せて保育をしていることを伝え、その中で、それぞれの子が園生活を楽しく過ごせるように、そして成長を支えるために、個別の支援が必要であると説明します。その際は、下記のポイントに配慮して話すようにしましょう。
ポイント1 どの子にも当てはまることとして話を始めて
幼児の特性として、夢中になるとほかのことには目が行かない、少しの刺激で気が散る、見通しをつけて行動するのが苦手など「うちの子にもある!」と思えるような内容から話を始めます。その特性が生活に困る程度だと発達障害の可能性があり、支援が必要になると伝えられるとよいでしょう。
ポイント2 障害のレッテル貼りにつながる話し方はNG
「ADHDには○○といった特性がある」とか、「自閉スペクトラム症は□□な行動をする」など、障害のレッテル貼りにつながる話し方はやめましょう。診断がついていても、一人ひとり特性は違いますし「あの子はADHDだから……」という色眼鏡で子どもを捉える保護者が出ないとも限りません。
ポイント3 支援を受けている子の保護者から事前の了解を
保護者会で、支援を受けている子に関連する話をする際は、事前にその子の保護者に、話す内容の了解を得てからにします。保護者が難色を示した際は、たとえ名前を出さなくても話すべきではありません。よりよい支援のためには、保護者との信頼関係がとても重要です。
ポイント4 障害への偏見を取り除くような話を交えて
発達障害があっても、環境次第で能力が伸ばされ、社会で活躍できるようになるのだと、芸能人や著名人の話を交えて説明しましょう。発達障害が約10人に1人とも言われるほど身近な障害であり、大人になって普通に生活している人がたくさんいるということも、多くの保護者に知ってもらいましょう。
ポイント5 子どもの障害に気づかせようと焦らない
わが子の発達障害の可能性に気がついていない保護者に、なんとか気づいてもらいたいと大勢に向かって話をしても、うまくいかないことが多いものです。わが子に当てはめて考える保護者は少なく、保育者の思いが空回りしがちです。まずは信頼関係を築くことに努め、時間をかけて話を進めましょう。
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教えてくれた人/筑波大学医学医療系准教授 水野智美
イラスト/しらいしののこ
取材・文/仲尾匡代


この記事が詳しく掲載されているのは
PriPriパレット 夏号
58ページに掲載
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