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支援のアイデア

子どもを支える”連携”のメリット①
〜園内編〜

発達に課題がある子の支援は、担任保育者ひとりでは無理なことも。しかし園全体で子どもを支える体制を築くと、支援力が高まるなど多くのメリットが生まれます。
今回は「園内」の連携について考えます。
多様化する保育環境の中、ひとりの保育者だけで対応するのは困難な時代
 クラスには発達に課題がある子だけでなく、家庭の事情で配慮が必要だったり、海外から来て日本語がわからなかったりするなど、さまざまな子がいます。子どもを取り巻く環境は多様化しており、担任だからといってひとりの保育者がすべてのことに対応するのは困難な時代です。
 また園によって支援が必要な子どもの数にかなり偏りがあることもわかっています。「うちの園には、発達に課題がある子はいません」という園がある一方で、「全園児の約3割に支援が必要」という園も。
 毎年、卒園を控えた秋になって発達が気になる年長児を受け入れるという園もあります。在籍していた園の方針と合わずに、転園を余儀なくされる子がいるためです。こうしたケースに対応するためにも、園全体で支援していくことが必要です。
園内の連携
職員全体で子どもを支える
・園長や主任の保育者がリーダーとなり、子どもを支える体制をつくる。縦のつながりではなく、役職や先輩・後輩などにこだわらない横のつながりを目指す。
・全職員で支援が必要な子どもに関する情報(苦手なこと、得意なこと、かかわり方のポイントなど)を共有し、一貫性のあるかかわりをする。
・困っている保育者を園全体で支援し、互いに手を貸し合えるようにする。
メリット1
全職員がかかわることで、広い視野で子どもを見ることができるようになる。「できる・できない」の評価ではなく、長所や得意なことに気づきやすくなる。
メリット2
担任の精神的負担が減り、悩んだとき孤立が防げる。
メリット3
全職員でアイデアを出すことで、支援策が見つかりやすくなる。
メリット4
園で一貫した対応ができるので、子どもや保護者が混乱しない。
メリット5
全職員で話し合い、支援策を模索するうちに、支援力が向上し適切な対応法がわかってくる。
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教えてくれた人/久保山茂樹
イラスト/佐藤香苗
取材・文/麻生珠恵

この記事が詳しく掲載されているのは
PriPriパレット 夏号
60ページに掲載
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