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音がツライ!? 聴覚過敏とは

運動会や発表会など、秋は子どもたちが心待ちにしている行事が目白押し。ところが、聴覚過敏のある子どもにとっては、大音量のBGMやピストルの音、楽器の音などをツライと感じることがあるようです。
見えない「音」に対して敏感な子ども
特定の音に対して、拒否反応を示す子どもがいます。これは、脳や耳の機能異常などから、音に対して過敏に反応していることが考えられます。この特性が一般的に「聴覚過敏」と呼ばれるものです。不快の度合いが強ければ、耳を塞いでうずくまったり、パニック状態に陥ったりすることもあります。周囲の人たちにとっては気にならない音に、その子が突然、理由もなくパニックを起こしたように見える場合があります。「まさか音が原因だったなんて!」と感じる場面も少なくないでしょう。そのくらい音のツラさは、理由が目に見えないゆえにわかりにくい、困りごとのひとつです。
聴覚過敏のある子どもが嫌う音には、個人差がありますが、一定の傾向も見られます。運動会のBGMやピストルの音、特定の楽器の音や保育者や友だちの大きな声などに拒否反応を示す傾向があるので、行事に向けての練習が多くなる時期は、どうしたら穏やかに安心して過ごせるか、対応策を考えておきましょう。
保護者から得た情報を保育者同士で共有する
保育者は、子どもが苦手な音をあらかじめ知っておくことが大切です。子どもの様子をよく観察するだけでなく、保護者からも情報を得て、保育者間で共有しておきましょう。そのうえで、苦手な音を避けられるように環境を整えます。
反対に、音に慣らそうとして我慢させたり、無理に音を聞かせたりすることは絶対にやめましょう。子どもに無理を強いると、不快感や恐怖感が強化され、ますます苦手意識が高まることがあります。また保育者と保護者との信頼関係が壊れたりするので、注意が必要です。
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教えてくれた人/臨床発達心理士 公認心理師 中野圭子
イラスト/秋野純子
取材・文/こんぺいとぷらねっと

この記事が詳しく掲載されているのは
PriPriパレット 秋号
40ページに掲載
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