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保育中の「音」への配慮②

運動会や発表会など、秋は子どもたちが心待ちにしている行事が目白押し。ところが、聴覚過敏のある子どもにとっては、大音量のBGMやピストルの音、楽器の音などをツライと感じることがあるようです。そのような子どもがどうしたら心地よく過ごせるのか、保育の音環境について考えます。
音の聞こえ方や感じ方は、他人が理解しにくいうえに、子どもは自分の状況をうまく説明できません。子どもが環境に合わせるのではなく、環境を子どもに合わせる視点が必要です。環境づくりのポイントを確認しましょう。
ポイント1 不要な音は減らす
●できる限り音を消す。
●必要な音は、音量を下げる。
●日常生活の音環境を見直す
(例えば、家電のモーター音が苦手な場合、防振ゴムを取り付けるなど)。
ポイント2 音の聞こえない場所に移動する
●苦手な音が鳴ることがわかっている場合(避難訓練の警報音など)、その音が鳴っている間は、聞こえない場所に移動する。
●楽器の音が苦手な場合、別室にて、ひとりで練習するのもよい。
・必ず子どもの意思を確認し、 子どもと決めたことを保護者にも伝える。
・避難訓練の警報音などは、事前に伝えることで 子どもの緊張が強まる場合もあるので、注意が必要。
ポイント3 音の質や大きさを調整する
● 道具を変えると、受け入れられる場合があるので、試してみる(例えば、運動会のピストルを笛に代えるなど)。
● 合唱の際には、がなり声にならず、きれいな声で歌うように指導をする。
● 保育者が話しかける時は、背後から声をかけて驚かせたり、大声を出したりしないようにする。
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教えてくれた人/臨床発達心理士 公認心理師 中野圭子
イラスト/秋野純子
取材・文/こんぺいとぷらねっと

この記事が詳しく掲載されているのは
PriPriパレット 秋号
44・45ページに掲載
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