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支援のアイデア

「視覚過敏」への配慮②

視覚は、外界から約80%もの情報を取り込むといわれています。したがって視覚過敏があると、目から多くの正しい情報が得られなかったり、日差しや光の反射が、つらい、痛いと感じたりすることも。視覚過敏がある子の支援について考えます。

園での支援
4つのポイント
視覚過敏がある子への支援では保育環境を見直すことが第一です。園でできるサポートのポイントを紹介します。
環境や活動を見直す
日差しや照明を避けたくて、薄暗い場所にこもりたがる子もいます。保育者の目が行き届く場所に、薄暗くて落ち着けるスペースをつくって、自由に出入りさせてあげましょう。外あそびを強要しないことも大切です。
POINT
●薄暗くて落ち着ける場所をつくる
●外あそびを強要しない
直射日光を避ける
視覚過敏の子には、日差しを避ける配慮が必要です。座席の場所を見直したり、つば付きの帽子をかぶる習慣をつけたりすると、まぶしくて見えない、遠近感がわからないなどの困難さが軽減できます。
POINT
●座席は、直射日光を避けた場所にする
●カーテンを閉めて直射日光を遮る
●室内・屋外ともにつば付きの帽子をかぶる
目に優しい色を
白は光を反射しやすいために、視覚過敏の子にとっては苦手な色です。とくに白くて艶のあるホワイトボードは、光が反射して文字が見えにくいため、代わりに黒板などを使いましょう。原色やネオンカラーも刺激が強すぎるので、壁面装飾などには多用しないようにしましょう。
POINT
●ホワイトボードより黒板がおすすめ
●お絵描きに使う画用紙は白に限らず色を選べるように
●白い紙より、わら半紙がベター
●壁面装飾は、淡い色を中心に
文字を工夫する
視覚過敏の子は、線の太さが一定でない明朝体などの文字が読みづらい傾向にあります。なかには読み書きに影響が出る場合もあるので、子どもたちが読む文字には配慮を。文字のサイズは小さくなり過ぎないようにします。
POINT
●書体は、線の太さが均一なゴシック体やメイリオ体がベター。明朝体や教科書体は避ける
●字間はほどよく詰めて、行間は広めに
教えてくれた人/筑波大学 人間系教授 熊谷恵子
イラスト/平澤 南
取材・文/麻生珠恵
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掲載されているのは

PriPriパレット 2022年8・9月号

PriPriパレット 2022年8・9月号

32・33ページに掲載

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