学校への引き継ぎと書類の書き方
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支援が必要な子の就学先が決まると、園では、その子の個性や園での支援の内容を就学先へつないでいきます。子どもの姿を適切に伝える引き継ぎのポイントを専門家である久保山先生が解説します。 | |
園のかかわり方や支援を次につなげるために 特別な支援が必要な子の就学にあたり、園には今までの育ちや支援の様子を次へつなげる役割があります。主に要録や就学支援シートを作成しますが、さらに支援ツールの共有や園に就学先の担任団が見学に来るなど、支援の一貫性を目指した取り組みが増えています。学校は年々、支援が必要な子に適切な配慮をする環境が整ってきており、幼保小は就学時以外でも情報交換できるのが理想。顔の見える関係性があると、引き継ぎ書類の理解度も深まるでしょう。 一方で子どもには学校の学びを先取りさせたりする必要はありません。園での思い出をみんなで振り返り、卒園の日まで、今しかない幼児の生活を大事にしましょう。就学は確かに節目ですが、これまでのかかわりの積み重ねが就学につながっています。「卒園後もこの子が素敵に生きていくために」という視点で日々の保育を充実させ、そのうえで育ちを引き継ぐ姿勢を大切にしてください。 |
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就学支援シートのキホン | |
保護者に就学支援シートの活用を周知しましょう 就学支援シートは保護者会などで紹介するとよいでしょう。特別支援学級に就学する子だけでなく、通常の学級に就学予定だけれど気になる子なども提出することで、就学先で適切な支援を受けられる可能性が高まります。 |
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1. 子どもを知るための資料 その子の様子や必要な支援、行ってきた配慮を、就学先と保護者がともに認識する資料。保護者と園や児童発達支援、医療機関などの担当者が記入し、就学先へ提出します。 |
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2. 保護者主体で作成・提出 要録との大きな違いは、保護者主体で作成し、保護者が提出すること。保護者の目線で子どもの姿や就学後の願いなどを伝えるため、就学先とのコミュニケーションに役だちます。 |
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3. 形式はさまざま 自治体により書式や名称、提出の仕方はさまざまです。成人までの記録ファイルの中に含まれるものや、在住するすべての子どもについて記入・提出する自治体もあります。 |
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教えてくれた人/独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所 インクルーシブ教育システム推進センター 上席総括研究員(兼)センター長 久保山茂樹 イラスト/松木祐子 取材・文/小栗亜希子 |