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支援のアイデア

ほかの子から「ずるい!」と言われたら?②

発達に課題がある子に個別で支援しているとほかの子から「ずるい!」という声を聞くこともあるかもしれません。
こんなふうに対応してみましょう。
CASE.1
みんなが製作をしているときに、手を拭くタオルを配って歩いたり、ひとりで虫の図鑑を見ていたりするAくん。Kちゃんが「どうしてAくんは違うことをしてていいの?」と聞いてきました。
「どうして?」「ずるい」は、その子自身も困りごとを抱えている可能性も
「どうしてAくんだけ」ということばの裏には、「私もしたくないけどがんばっている」「先生、私のことももっと見て」という気持ちがあるのかもしれません。自己主張が強くなく、そつなく活動をこなす子は、手がかからないので、保育者も安心して目が行き届かなくなりがちです。「どうしてAくんだけ」は、KちゃんのSOSかもしれません。個別のかかわりを増やすなど、対応を見直してみましょう。
CASE.2
外あそびの時間が終わっても部屋に戻らず、加配の保育者と二人でいつも砂場に残ってあそんでいるBちゃん。「Bちゃんだけずっとあそんでいて、ずるい」とRくんに言われてしまいました。
Rくんが不満を感じる理由を考え、気持ちが満たされる対応を
「人のことはいいから、お部屋に入って!」などと言ってしまいがちですが、それではRくんへの答えになっていないばかりか、むしろ「Bちゃんだけずるい」の気持ちを大きくしかねません。Rくんは、自分も加配の保育者とあそんでみたい、と感じていたのかもしれません。「Rくんもあそんでみる?」と聞いてみましょう。一度、加配の保育者とあそぶ時間を持てれば、満足して納得することもあります。
教えてくれた人/
武蔵野短期大学客員教授・同附属保育園所長 酒井幸子
こども教育宝仙大学 こども教育学部幼児教育学科教授 守 巧
イラスト/金子典生 取材・文/森 麻子
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掲載されているのは

PriPriパレット 2023年4・5月号

PriPriパレット 2023年4・5月号

18ページに掲載

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