My Wonder あなたの保育をサポートする

支援のアイデア

外国につながる子の支援②

障害や言語・文化的背景の違いなどによる個別のニーズに対応し、どの子も排除されない「インクルーシブ保育」。今、国際情勢などの理由で、外国につながる子どもの入園が増えています。ことばや文化の違いを越えて、心を通わせられる保育について考えてみましょう。
外国につながる親子にとって、日本の園は戸惑う場面が多いものです。とくにどのような場面で困りやすいのでしょうか。
子どもはことばの壁に加え、初めての園や集団生活に戸惑いが
入園したばかりの4月は、日本語がわからないうえに「初めての園」「初めての集団生活」など、外国につながる子は戸惑いの連続です。園に少しずつ慣れてきた5~6月ごろになると、ことばで自分の思いが伝えられないため、つい手が出てしまうなど友だちとのトラブルが起きやすくなることも。
一方で、入園から半年経っても園に馴染めずに、友だちの輪に入れない子もいます。そうした子には、その子が安心できるよう保育者が1対1でかかわりましょう。
また、ことばだけでなく文化や生活習慣の違いによって戸惑うこともあります。たとえば着替えやトイレなどの生活場面も、そのひとつです。
保護者は、日本語で書く・話す場面がハードルになりやすい
「もし自分が、ことばが通じない外国で暮らしたら……」と想像してみてください。外国につながる子の保護者がとくに困るのは、日本語を書いたり、話したりしないといけない場面です。なかには欠席の連絡を連絡帳や電話のみとしている園もあり、それが連絡のハードルを高くしている場合もあります。そのため、何も言わずに子どもを休ませざるを得ない保護者もいます。アプリで欠席や遅刻などの連絡ができると、ハードルはぐんと下がります。
また、保育者からの口頭での連絡も、保護者にはハードルが高いです。会話が難しいと質問もできずうやむやに。大事なおたよりの内容が理解できないことや、返信が必要なことがわからないこともあります。こうしたことは、日本語で意思疎通ができると保育者が思える保護者でも起こり得ます。
ほかには親子共通の悩みとして、担任、副担任、加配保育者などクラスにかかわる保育者の人数が多いほど、困ったときに誰に聞けばよいのかわからないということもあります。
教えてくれた人/植草学園短期大学 こども未来学科准教授 相磯友子
イラスト/三好未菜
取材・文/麻生珠恵
お知らせカテゴリー

この記事が詳しく
掲載されているのは

PriPriパレット 2023年6・7月号

PriPriパレット 2023年6・7月号

52ページに掲載

詳細はこちら

関連キーワード