My Wonder あなたの保育をサポートする

支援のアイデア

発音の発達とは?②

「さかな」が「ちゃかな」になるなど不明瞭な発音が気になるという悩みをよく耳にします。乳幼児期は、発音の発達の過渡期。どう接したらいいのか、言語聴覚士がお答えします。
発音の完成は就学するころが目安
乳幼児期の子どものことばは、「さ」が「ちゃ」(音が置き換わる)、「コップ」が「オップ」(音が抜ける)と聞こえることがあります。舌や口の動きの未熟さや、音の聞き分けの未熟さで、大人のまねがうまくできないことに起因します。
下記は音の獲得の発達の目安です。発達に順序があるとわかれば、乳幼児期にうまく発音できないのは自然なことだと理解できます。日本語の発音がしっかりできるようになるのは、就学するころが目安。ただし、発達の速度には個人差があるので、年齢にとらわれ過ぎないことがポイントです。
音の獲得の目安
1歳ごろ
マ行・パ行・バ行・ワ
いずれも両唇音(唇を合わせてつくる音)。唇の開閉は目で見て模倣しやすいため、初期から獲得する。
2歳ごろ
タ行(ツ以外)・ダ行(ヅ以外)・ヤ行・母音
「タ行」と「ダ行」は、舌先を歯茎に当てて発する音。「ヤ行」は舌を硬口蓋(口のなかの天井)に近づける音。「母音」は舌がどこにも触れずに出る音。
3歳ごろ
カ行・ガ行・シャ行・ジャ行・チャ行・ハ行
歯茎の裏のかたい部分や奥のやわらかい部分に舌を当てながら発音するなど、舌の動きがさまざまに。そのうち「ハ行」は、ささやき声のような呼気で発音する。
4〜5歳ごろ
サ行・ザ行・ラ行
歯茎と舌で摩擦をつくることや、歯茎を舌で弾くことで発音する。このような発音は難易度が高いため、6歳ごろまでかかる場合もある。
5歳後半〜6歳

舌先を歯茎に当てる動きに加え、歯茎と舌で摩擦をつくる必要があるため、とても難しい。
6〜7歳ごろ(小学校入学〜1年生の終わり)
日本語の音の完成
教えてくれた人/
言語聴覚士 田中春野
イラスト/妹尾香里 取材・文/オフィス朔
お知らせカテゴリー

この記事が詳しく
掲載されているのは

PriPriパレット 2023-2024 12・1月号

PriPriパレット 2023-2024 12・1月号

34・35ページに掲載

詳細はこちら

関連キーワード