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支援のアイデア

保育者を避ける保護者の心理とは?②

発達に特性のある子どもの保護者とのやりとりには、思いに寄り添った接し方が必要です。さまざまなケースを取り上げて、よい関係を築く対応をご紹介します。
そっけない素ぶりの保護者
園で落ち着きがなくなる場面があったり、ことばの理解面でも少し心配があったりする子の保護者に、家庭での様子を聞きました。すると、「そうですか……家でもそんな感じです」などと、そっけない返事で話が続かず、会話が終わってしまいました。
こう対応!
まずは時間をかけてよい関係づくりから
保護者が話をしたくなくて避けているのか、ただびっくりしてことばが出なかったのかを見極め、注意して接する必要があります。今は聞きたくない・話したくないという保護者には、いくら慎重にことばを選んで話そうとしても、まだ伝わる段階にありません。今日、子どもが楽しんでいた様子や、がんばっていた姿などを伝え、焦らずコミュニケーションを図っていきましょう。この先生になら話してみようと、保護者に思ってもらえる関係を目指します。
口数が減った保護者
集団行動が苦手な子の保護者に、園で個別の対応をしていることを伝えたところ、「迷惑をかけていてすみません」「うちの子が本当に申し訳ない」と落ち込んでしまった様子。口数が減り、送迎時も会話を避けて帰るようになりました。
こう対応!
保護者にプレッシャーを与えず一緒に考える姿勢を伝える
この保護者は子どもの様子に気づいていて、自分の子がクラスや保育者に迷惑をかけているという意識が強いのかもしれません。次第に保育者と話すことが苦痛になってしまったようです。子どもの育ちには保護者の心身の健康が大事なので、まずは保護者を支えることを優先します。「迷惑だなんて思っていないですよ。気兼ねしなくて大丈夫です」などと伝え、子どもの育ちを支えるパートナーとして一緒に考える姿勢を示していきましょう。
教えてくれた人/筑波大学名誉教授 徳田克己
イラスト/コウゼンアヤコ
取材・文/小栗亜希子
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PriPriパレット 2024年6・7月号

PriPriパレット 2024年6・7月号

60-61ページに掲載

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