児童発達支援のナカミ、教えます!③
児童発達支援の5領域 障害や支援の必要がある子が日常生活や社会生活を営む基礎となる児童発達支援の5領域。ねらいと活動内容を見ていきましょう。 |
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5領域を網羅した支援が義務化 2024年の児童発達支援ガイドラインの改訂により、ガイドラインで示された5領域すべてを含む総合的な支援の提供が求められ、事業所ごとに5領域とのつながりを明確化した支援プログラムを作成・公表することが義務化されました。ここでいう5領域は、保育所保育指針等で示されている5領域(健康・人間関係・環境・言葉・表現)と似てはいますが異なり、「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」となっています。領域の支援内容は互いに関連し、重なる部分もあります。また、個別支援計画は、5領域との関連性について記載することが必要となりました。 |
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[ 健康・生活 ] ねらい ⚫︎健康状況の維持・改善 ⚫︎︎︎生活習慣や生活リズムの形成 ⚫︎基本的生活スキルの獲得 健康な心と体を育て、自ら安全な生活をつくり出せるよう支援します。基本的な生活スキルを獲得できるようにするほか、時間や空間をわかりやすく構造化することも大切。 |
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[ 運動・感覚 ] ねらい ⚫︎姿勢と運動・動作の基本的技能の向上 ⚫︎姿勢保持と運動・動作の補助的手段の活用 ⚫︎身体の移動能力の向上 ⚫︎保有する感覚の活用 ⚫︎感覚の補助及び代行手段の活用 ⚫︎感覚の特性への対応 体や感覚が活用できるよう支援します。姿勢の保持や運動・動作の改善を図るのほか、補助用具等の手段が活用できるようにします。感覚の偏りに対する環境調整等の支援も。 |
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[ 認知・行動 ] ねらい ⚫︎認知の特性についての理解と対応 ⚫︎対象や外部環境の適切な認知と適切な行動への習得 (感覚の活用や認知機能の発達、知覚から行動への認知過程の発達、認知や行動の手がかりとなる概念の形成) ⚫︎行動障害への予防及び対応 視覚・聴覚・触覚等の感覚を活用して情報を収集し、行動につなげられるようにします。数や大きさ、色などの概念の理解を促す支援や認知の偏りによるこだわりや偏食への支援も。 |
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[言語・コミュニケーション ] ねらい ⚫︎コミュニケーションの基礎的能力向上 ⚫︎言語の受容と表出 ⚫︎言語の形成と活用 ⚫︎人との相互作用によるコミュニケーション能力の獲得 ⚫︎コミュニケーション手段の選択と活用 ⚫︎状況に応じたコミュニケーション ⚫︎読み書き能力の向上 ことばによるコミュニケーションだけでなく、文字や記号、ジェスチャーなど様々な方法を活用しながら、意思の伝達が行いやすい方法で支援を行い、相手の意図を理解したり、自分の考えを伝えたりできるようにします。 |
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[ 人間関係・社会性 ] ねらい ⚫︎アタッチメント(愛着)の形成と安定 ⚫︎あそびを通じた社会性の発達 ⚫︎自己の理解と行動の調整 ⚫︎仲間づくりと集団への参加 他者との関係構築や集団参加に向けた支援を行います。保護者以外の大人との関係やほかの子どもとの関わりのなかで、安定した関係が築けるようにします。 |
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教えてくれた人/ 桜美林大学心理・教育学系准教授、スタジオそら顧問 公認心理師、臨床心理士、認知行動療法スーパーバイザー 小関俊祐 アース・キッズ株式会社・発達障害療育研究所研究員 公認心理師、臨床心理士、専門健康心理士、日本ストレスマネジメント学会認定ストレスマネジメント実践士 土屋さとみ イラスト/hakowasa 取材・文/こんぺいとぷらねっと |