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支援のアイデア

家族で障害の理解に差がある保護者の対応①

家族で障害の理解に差がある保護者
子どもの発達の特性について、配偶者や祖父母などの理解を得られない保護者の気持ちと支援を考えます。
子どもの障害の受容には、家族間でも時間差がある
保護者が子どもの姿を見て「あれ? もしかしたら発達障害かも?」と感じて家族に相談しても、「たまたまだろう」「もう少ししたらできるようになる」「障害と決めつけなくても」と取り合わず、理解に食い違いが起こることは少なくありません。一般的に子どもとの距離がより近い母親が先に子どもの特性に気づくことが多く、子どもの障害を受容するまでに母親は3年、父親は7年かかるといわれています。このギャップの4年の間、母親はひとりで不安を抱え込み、支援を受けたいけれど家族が非協力的であることに悩むなど、疲弊しがちです。
そういう保護者には、保育者が不安の理解者として寄り添い、子どもに対しては園が一緒にしっかりサポートしていくと伝えることが大きな支えになるでしょう。保護者にとって、園や保育者が安心して頼れる場所のひとつとなることが重要です。
家族とはいえ個々人で子どもの発達の受け止め方が違うのは当然。不安に寄り添い、保護者を孤立させないことが大切です。
対応のコツ
家族と心配を分かち合えない不安に寄り添う存在に
子どもの発達に不安を感じたとき、まずは家族と分かち合いたいものですが、わかってもらえないのはつらいこと。自分の育児を否定されたように感じたり、気分が沈んだりする保護者も。そのような場合は「いつでも相談してくださいね」などと保護者に寄り添う姿勢で対応を。気にかけている人がいることを示し、安心感を与えられる存在になりましょう。
対応のコツ
家庭では気づかない子どもの様子を知ってもらう
保護者として同じ立場であっても、園への送迎や検診への同行などを通して、同年齢の中での子どもの姿を見ているかで、子どもの発達への理解に差が生じることが。家庭以外で子どもの姿や、発達に関する情報に触れる機会が少ない保護者には、行事や保育参観への参加をお願いし、家庭では現れない子どもの特性や他児との違いを知れる機会をつくって。
教えてくれた人/筑波大学名誉教授 徳田克己
イラスト/コウゼンアヤコ
取材・文/小栗亜希子
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PriPriパレット 2025年2・3月号

PriPriパレット 2025年2・3月号

56,58ページに掲載

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