My Wonder あなたの保育をサポートする

支援のアイデア

家族で障害の理解に差がある保護者の対応②

家族で障害の理解に差がある保護者
CASE1 配偶者や祖父母から理解されず……
母親だけが子どもの発達に不安を感じ家族内で孤立
母親は子どもの発達に特性があるのではないかと心配していて、専門機関に相談したほうがよいか迷っているようです。しかし父親や祖父母の理解が得られず、さらに「育て方がよくないのではないか」と責められ、母親が孤立して悩んでいます。
こう対応!
まずは父親が子どもの姿を知れる機会をつくりましょう
母親が孤立している場合、祖父母よりもまずは、子どもや母親に近い、父親の理解が重要です。父親はわが子だけでなく、同じ年齢の子どもたちの姿も知らないことがあるので、まずは集団の中での子どもの姿を見てもらい、どこに課題があるか、現状を知ってもらえるとよいでしょう。父親がわが子の発達を理解し、夫婦が子どもについて同じ認識を持てるようになると、祖父母の考え方も次第に変わっていくでしょう。
CASE2 「頑張ればできる」と理解しない父親
保護者間で子どもへの対応や考え方が違う
気持ちのコントロールが難しく、かんしゃくを起こす子に対して、保護者間で考え方や対応が違います。母親は寄り添いたいと思っているのに対し、父親は「頑張ればできるようになる」と無理に泣き止ませようとしたりするようで、母親が悩んでいます。
こう対応!
実際にうまくいっている関わり方を父親に伝える
父親なりにわが子のことを思っての考えでしょうが、それがエスカレートして、父親が思わず手を上げてしまう、子どもが興奮してもっとかんしゃくがひどくなるということも考えられます。こういう場合は母親から「園では、こうすると落ち着きやすいと聞いている」などと、園でうまくいっている関わり方を伝えてもらうとよいでしょう。それでも父親の対応が変わらず、母親が困っているようなら、園長や主任を交えて面談を行うなどの対応を。
家庭内の事情などの個人的な相談には、意見や助言は必要ありません
保育者に子どもの話だけでなく、配偶者への不満や家庭内の事情なども相談する保護者がいます。つい口を挟みたくもなりますが、「それはひどいですね」「向こうが悪いですよ」などと、保育者の個人的な意見やアドバイスはNGです。なにげなく言った保育者の意見が、夫婦間のトラブルの元になってしまう可能性も。保育者は保護者が気持ちを吐き出しやすいように頷きながら聞き、「そうでしたか、それは大変でしたね」と気持ちに共感するだけで十分です。
教えてくれた人/筑波大学名誉教授 徳田克己
イラスト/コウゼンアヤコ
取材・文/小栗亜希子
お知らせカテゴリー

この記事が詳しく
掲載されているのは

PriPriパレット 2025年2・3月号

PriPriパレット 2025年2・3月号

56,58ページに掲載

詳細はこちら