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行動のワケを知りたい、関わりたい自閉スペクトラム症③

\特性別/
事例から知る関わり方のヒント

どんな関わりが、その子にとって安心できるのでしょうか? 具体的な事例で見ていきましょう。
ケース 3
人との関わり、コミュニケーションが苦手
クラスの友だちと関わるのを怖がるYちゃん

Yちゃんは集団が苦手で、友だちと関わることを怖がります。保育者は友だちとあそぶ楽しさを知ってほしいと願いますが、クラスの子に声をかけられただけで、泣き出してしまいました。
こうしてみて!
“みんなと一緒”を急ぎすぎて、人嫌いにならないように
集団の何が苦手なのか、Yちゃんの気持ちを推し量りましょう。騒がしいのがイヤ、視界に動くものが多いと落ち着かないなど、苦手がわかればそれを軽減することを考え、Yちゃんが好きなあそびに取り組めるよう、環境を整えましょう。
●集団への参加を強制せず、何が苦手か観察して
●ひとりで静かに過ごせる環境を保育室の中に
●まずは保育者と一対一の信頼関係を
関わりのポイント
好きなことを利用して人と関われる機会を
好きなことを利用して人と関われる機会を
ケース 4
感覚の過敏さや鈍さがある
帽子をかぶることも手を洗うことも嫌がるAちゃん

Aちゃんは帽子をかぶるのを嫌がるため、日差しが強いときには熱中症にならないかと保育者は心配に。手を洗うのも「痛い!」と毎回泣いて嫌がり、外あそびの後はいつも不機嫌です。
こうしてみて!
無理にかぶせる必要なし。散歩や外あそびが嫌いになったら本末転倒
無理矢理帽子をかぶせる必要はありません。散歩中は日陰をつくったり、こまめに水分補給をしたりして、できる対策を行いましょう。手洗いも、Aちゃんには痛みを伴う不快さです。おしぼりで拭くなどほかの方法で清潔を保ちましょう。
●感覚の過敏さに理解を示し、嫌がる行為はしない
●代替方法を探して、不快な気持ちにさせない
●不快を軽減させるための対処法や工夫を考える
関わりのポイント
子どもにとっての苦痛を理解する
苦痛を感じている子に、無理強いしてはいけません。保育者が嫌なことを強いる人と認識されてしまいます。過敏さは成長するにつれ軽減することも。今、無理に慣れさせなくても大丈夫です。
教えてくれた人/
チャイルドフッド·ラボ代表理事 藤原里美
イラスト/オガワナホ
取材・文/仲尾匡代
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掲載されているのは

PriPriパレット 2025年4・5月号

PriPriパレット 2025年4・5月号

26,30ページに掲載

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