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支援のアイデア

行動のワケを知りたい、関わりたい自閉スペクトラム症②

\特性別/
事例から知る関わり方のヒント

どんな関わりが、その子にとって安心できるのでしょうか? 具体的な事例で見ていきましょう。
ケース 1
想像や推測の困難さ
予定の変更が理解できず、パニックを起こしたFくん

公園に散歩に行くと保育者がクラス全体に伝えたところ、Fくんは友だちからかけられたことばを耳にして、パニックを起こしてしまいました。
こうしてみて!
見通しを持てるように、あらかじめ個別に説明を
話の内容を順序立てて理解することが難しいです。本人が保育者の指示を理解して、見通しを立てられるようになる工夫をして、個別に丁寧に説明しましょう。
●クラス全体に説明をする前に、個別で説明を
●耳から情報が入りにくい子は、絵カードを利用
●流れがわかるよう、順序だてて短く簡潔に
関わりのポイント
目で見てわかる工夫や伝わることばを選んで
見えないものを想像するのが苦手なので、ことばの補填に絵カードを使ったり、その子が理解しやすい簡単なことばを使って。ひとつの文章を短く区切りながら、ゆっくり説明しましょう。
ケース 2
こだわりの強さ 変化への抵抗
アリが大好きで、いつもひとりであそんでいるTくん 

アリに夢中で、毎日アリを見続けているTくん。保育者は友だちとあそぶことで社会性も育みたいと、アリから気をそらそうと働きかけましたが、Tくんは嫌がって大泣きしてしまいました。
こうしてみて!
特定の対象への興味を周りの子たちと共有できるように
Tくんの興味の対象に、ほかの子たちが興味を持てるような働きかけをしましょう。アリが登場する絵本を読んだり、保育者が熱心にアリを観察したり。楽しみを共有できる友だちができれば、徐々に関わりも持てるようになっていきます。
●楽しみを奪ってほかのあそびを無理矢理させようとしない
●その子の興味をほかの子たちが共有できる働きかけを
●興味の対象について絵本や図鑑などで探究心を広げて
関わりのポイント
好きなことを得意に、それを増やして自信に繋げて
好きなことやこだわりは本人が納得いくまで取り組ませましょう。好きなことで心が安定するだけでなく、それを他者に認めてもらうことで、自分に自信が持てるようにもなります。
教えてくれた人/
チャイルドフッド·ラボ代表理事 藤原里美
イラスト/オガワナホ
取材・文/仲尾匡代
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掲載されているのは

PriPriパレット 2025年4・5月号

PriPriパレット 2025年4・5月号

26,28ページに掲載

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