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支援のアイデア

ことばを引き出すあそび

今号のテーマ

絵 本

言語聴覚士がことばの発達を自然に促すあそびを提案!今号は、どの園にも身近にあり、子どもの発達に合わせて選べる「絵本」を紹介します。

絵本を通してコミュニケーションを
保育現場では集団での読み聞かせが多くなります。しかし、ことばの発達が遅い子は、聞く力が弱い場合があるので、できれば1対1で読む機会が持てるとよいでしょう。読むときは、抑揚やテンポを工夫することで、子どもが何に興味があるのか探ります。同じ絵をくり返し見ていたり、ストーリーに興味を持っていたりしたら、質問するなどして、コミュニケーションにつなげていきましょう。
\ことばを引き出す/
絵本の効果とは?
● 語彙が増え、発話につながる。
● 単語が音の単位でできていることに気づく音韻意識が育つ。
● コミュニケーション力が育つ。
● ことばの表現力が豊かになる。
ことばの発達を促す
絵本の活用法
聞き手から読み手に発展して楽しむ
絵本は、聞き手の参加を促しやすい特徴があります。まずは、大人が読み手で子どもは聞き手となって楽しむうちに子どもが気に入ったフレーズを声に出していくことで、発話につながっていきます。
くり返し読んだりページを飛ばしても
同じ本やシリーズものの絵本をくり返し読むことで、展開が読めて安心感が持てる子もいます。また、子どもの興味の度合いに合わせて臨機応変にページを飛ばして読むなどの調整も可能です。
図鑑などの絵や写真を理解教材に
ことばの獲得が遅い子や会話が苦手な子には、視覚的な理解教材として利用しても。図鑑やシンプルなイラストの絵本を見せ、「〇〇だね」とものの名前を指さしなどで確認し、語彙の習得につなげます。
会話しながら絵本を読む
〝ダイアロジック・リーディング〟のススメ
アメリカで注目されている「ダイアロジック・リーディング」。4つのステップで会話をしながら、絵本を読む手法です。
①子どもが発言しやすいように促す
絵本の動物を指さしながら、「この動物はなんていう名前?」などと聞く。
②子どもの発言をほめる・共感する
「パンダは何をしてる?」など回答の自由度が高い質問をすて、「そうだね!」と共感する。
③子どもの発話に情報を加えて広げる
「パンダ!」などと言う子どもの発言に「白と黒のパンダだね」などと情報を加え、話題を広げる。
④語彙のくり返しや要約
「『パンダ』と言ってみよう」と声をかけ、子どもが「パンダ」とくり返す、また「パンダは何していた?」と内容の要約を促す。
教えてくれた人/言語聴覚士 田中春野
イラスト/妹尾香里 取材・文/オフィス朔
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掲載されているのは

PriPriパレット 2025年6・7月号

PriPriパレット 2025年6・7月号

40,44ページに掲載

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