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支援のアイデア

発達の特性に配慮した熱中症対策②

子どもを守る!
水分補給
熱中症予防の基本と、予防のかぎとなる水分補給のポイントを、まずは理解しましょう。具体的な支援については、心羽えみの保育園石神井台 高橋園長に聞きました。

\予防の基本/

高温の環境にいる時間を減らす
[ 気温35度以上の猛暑日 ]
● 外あそびや散歩は控え、エアコンの効いた室内で過ごす。
[ 気温30〜34度の晴れた日]
● 外での活動は帽子をかぶり、長袖の服を着る。
● 外での活動時間を短くする。
● 必要があれば、涼しい日陰に移動する。
※晴れていなくても、気温と湿度が高く風のない場合は、熱中症のリスクが高まるので注意が必要。
水分を補給する
● どんどん水分をとらせる(飲みたいだけ飲ませてよい)。
● 水やお茶などに限定せず、子どもが飲みやすいものを与える
(水は白湯でなくともよく、水道水でも問題ない)。

水分補給の支援ポイント


スケジュールを決める
水分補給のタイミングの見通しをもたせ、ルーティンにする。

園全体でできる支援のアイデア

園の子どもたちが、どの子も水分を補給できるよう保育者が確実にサポートできるアイデアです。

音楽で水分補給の合図
水分をとるタイミングに決まった音楽をかけて、「このメロディーが聞こえたらお水を飲む」を習慣にします。ルーティンを決めておくと、保育者が声をかけなくても自分から水分補給をしたり、子ども同士で声をかけ合ったりします。

個に配慮した支援のアイデア

個別の支援が必要な子どもが、無理なく水分を補給できるアイデアです。
冷水と常温水を用意
飲み物の温度が合わないと、飲めない子もいます。冷やした水やお茶だと飲める子には、冷水を準備しておくとよいでしょう。また、「煮沸した水でないと危ない」「冷水で下痢をする」という話に医学的な根拠はありません。日本の水道水は厳しい基準で浄水されているため、安心して飲ませてください。
飲めるものでOK
こだわりの強さや偏食などから、水やお茶を飲まない子もいます。飲めるものがあれば、それを飲んでよいとします。ジュースでも構いません。「特定の子どもだけを特別扱いできない」といった考えに縛られず、どの子どもも好きなものを好きなときに飲んでよい環境がつくれるとよいでしょう。

6月に梅ジュースを手作り。7・8月は、自分から「飲みたい!」

心羽えみの保育園石神井台では、7~8月の2か月間、プールに入る前と後に、必ず梅ジュースを飲むことにしています。6月にみんなで梅を仕込み、少しずつジュースになっていく様子を見ながら飲むのを楽しみにしてきているので、「飲みたくない!」という子どもはひとりもいません。大事な水分補給になっています。
教えてくれた人/
お茶の水女子大学名誉教授
榊原洋一
取材協力/心羽えみの保育園石神井台(東京都)
イラスト/John Danon 
撮影/中島里小梨(世界文化ホールディングス)
取材・文/こんぺいとぷらねっと
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掲載されているのは

PriPriパレット 2025年6・7月号

PriPriパレット 2025年6・7月号

51,52,54,56ページに掲載

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