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支援のアイデア

インクルーシブな職場のためにできること

多様な子どもを尊重し、対応できるインクルーシブな保育には、保育者の側にもインクルーシブなあり方が求められます。そのためには、どんなことを大切にすればよいでしょう?

インクルーシブな職場のために、各保育者が心がけるべきことは?
管理職
それぞれの能力を活かせる環境を整える
何かがうまくいかないとき「個人の能力不足」が原因だと思っていませんか。そうではなく「方法や環境が合っていないのかも?」という視点で見てみましょう。その上で個々の力が発揮できるのはどんな環境かを考えてみましょう。
属性以外に思考や気質の多様性も
インクルーシブな保育の実現には、多様な保育者が自身の得意不得意を踏まえ、チームとしてよい保育ができる職場環境が必要。
その多様性は、性別や年齢、雇用形態などの属性だけでなく、気質や特性、考え方など多岐にわたります。互いの個性や考え方、得意不得意は、働くうちにわかることもありますが、定期的&意図的に知り合う機会をつくりましょう。全員がオールマイティな保育者を目指すのではなく、互いの個性や得意を活かしたチーム保育ができる文化をつくることが大切です。

多様性を活かすワークショップ

他者と自分を知ることで、認め合える関係に
互いの理解を深めるため、自分の得意なことや好きなことを発表するほか、皆でその人の素敵な点を挙げ合います。本人が気づいていなかった得意なことを自覚でき、本人も周りもより得意を活かす方法を意識することにも繋がります。
中堅保育者
自分が上の立場にいることをしっかり自覚して
「なんでも相談してね、意見を言ってね」と伝えても、立場が下の人は言いにくいもの。匿名で意見が言える「目安箱」のような仕組みをつくるなど、いかに後輩保育者が話しやすく、本音を言いやすい環境にするかに気を配りましょう。
新人保育者
保育で抱いた違和感を見過ごさず大切にして
「何かおかしいんじゃないかな?」と感じたことは胸にしまわず、臆せず意見してみては。自分と似た感覚を持つ同僚と協力するなどして、まずは身の回りのできることから、自分のクラスからでも違和感の解消に取り組んでみましょう。

やり方は多様でも目指す保育は共通

多様な保育者が互いを尊重し協力して働くには、話し合いを重ね、園としてどんな保育を目指すのか、子どもたちにどう育ってほしいのかといった共通のビジョンを持つことが必要です。目指すところが同じであれば、やり方がそれぞれ違っていても、子どもの様子を見て有効なやり方を見極め、互いに調整しながら進めることができます。
園全体の大きな目標の見直しが難しい場合でも、クラスや学年、時期ごとに目標を設定し、日々の保育を振り返り、話し合う時間を持つよう心がけましょう。
教えてくれた人/
インクルージョン研究者・一般社団法人UNIVA理事
野口晃菜
取材協力/四季の森幼稚園(神奈川県)
イラスト/オオイシチエ 取材・文/仲尾匡代
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