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支援のアイデア

ABAに基づくことばかけ 実践

I 応用行動分析 I
ABA<実践編>
ストラテジーシートで俯瞰的に分析し、かつ、より効果的なチーム支援を
ABAを用いた行動の機能の分析手順について説明しました。この一連のプロセスを行う際は、「ストラテジーシート」というツールを活用するのがおすすめです。分析と対応に必要な情報をフォーマットに従って記入すると一枚のシート上に整理できるので、子どもの行動と周囲の環境の関係を俯瞰的に捉えられ、効果的な対応を考えるのに役だちます。
また、ストラテジーシートに機能の分析や具体的な支援方法を記入してまとめると、保育者同士で情報を共有しやすくなるメリットも。子どもへの理解や具体的な支援方法、支援の方向性などについて、園全体の足並みが揃うので、より一貫した対応ができるようになります。
I 応用行動分析 I
ABA<実践[ことばかけ基礎]>
行動の前のことばかけ
伝わることばかけで よい行動を引き出し、ほめる場面を増やす
ABAの行動分析によって、活動内容や環境の見直し、保育者の関わり方やことばかけの工夫など、様々な視点の対応策が見えてきます。なかでも子どもの行動に大きく影響するのがことばかけです。ABAの理論を取り入れたことばかけには、〝行動の前のことばかけ〟と〝行動の後のことばかけ〟があります。どちらも、「よい行動を増やして、よくない行動を減らす」ことで子どもの行動を改善することばかけですが、行動の前と後では、それぞれ役割が異なります。
よい行動を理解できるように伝える
言わなくてもわかるだろうと思わず、「食事中はいすに座っていよう」「いすに座るときは足を床につけて、前を向いて座ろう」など、事前にわかりやすく伝えておくことが大切。ことばの理解が難しい子には、絵カードなどを使って伝えてもよいでしょう。
指示は誰にでもわかることばで伝える
指示は誰にでもわかることばで伝えることが大切です。例えば「静かに」「ちゃんと」など目に見えない抽象的なことばは、人によって基準が異なるため、「お口を閉じて」「足を床につけて座ろう」など、みんなが同じ行動をとれる伝え方をしましょう。
行動の後のことばかけ
行動を増やしたり減らしたりするためのことばかけ
行動の後のことばかけには、子どもがよい行動をしたとき、その行動を増やすためにかけることばかけと、逆に、よくない行動をしたとき、その行動をうっかり増やさないために気をつけることばかけがあります。子どもがよい行動をしたときは、〝ほめる・認める〟ことばかけで大いにほめ、その行動の頻度が増えるようにします。
教えてくれた人/
NPO法人ADDS共同代表 竹内弓乃
イラスト/山本ケイタ
取材協力/石澤方理(逗子市教育委員会 教育研究相談センター)、
双葉保育園(神奈川県)
取材・文/森 麻子
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