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支援のアイデア

おしゃべりが止まらない子への対応②

場所や場面に構わず、おしゃべりをし続ける子どもがいます。保育者や友だちの話をさえぎって話し続ける、同じことをくり返し質問するなど、対応に悩むケースもあるでしょう。こうした行動の背景に何があるのか、どのように関わればよいのか、園での事例をもとに考えます。
思いついたことをすぐ口に出してしまうAさん
集まりの時間など、保育者が話す場面でも構わずに話し出してしまう5歳のAさん。友だちの話をさえぎることも多く、「静かに!!」と言われて、トラブルになることもよくあります。
守れる約束を決め、無理なく過ごせる方法を探る
Aさんのように衝動性の強い子は、頭に浮かんだことをすぐに話してしまうことがあります。そのため、集まりの時間など、静かにする場面で黙っていられない場合も。衝動を抑えるのは難しいので、「しゃべりたくなったら補助やフリーの保育者にこっそり話す」「10数える間にお口チャック」など、守れる約束を本人と一緒に決めるとよいでしょう。
好きな感覚グッズや絵本を用意するなど、子どもが無理なく過ごせる方法を探ることも大切です。
園での支援実例
ルールの伝え方や設定を工夫する
食事の時間に、食べながらおしゃべりをしたり立ち歩いたりしてしまうAさん。事前にカードを見せながら「お話は、お口を空っぽにしてからね」と、約束しました。食事中に話し出しそうなタイミングで「お約束は?」と声をかけカードを見せると、約束を思い出し、食事に戻ることができるようになってきました。

発散できる時間をつくる
静かな活動の前に思い切り体を動かす活動を取り入れる、集まりの前に担任とたっぷり話せる「おしゃべりタイム」をつくるなど、発散できる時間を用意しました。静と動のメリハリができて気持ちも落ち着くようになり、穏やかに過ごせる時間が増えました。
見通しがもてない不安から、同じ質問をくり返すBさん
登園直後から、何度も「お母さん、来る?」と尋ねる3歳のBさん。活動の前には、「なんで?」「何するの?」と何度も聞いてきます。発達がゆっくりで、保育者のことばだけでは理解できず、説明しても質問が止まりません。
安心感がもてる関わりと、好きなあそびが見つかる環境を用意
発達がゆっくりで状況の理解が難しい子には、その子の不安をしっかりと受け止め、安心感がもてるように関わる必要があります。ハグをしたり、手を握ったりすることでも気持ちが落ち着きます。また、一日の生活や活動の流れをルーティン化し、絵カードやスケジュールボードで視覚化することで、見通しがもてるようにすることも大切。やりたいことが見つけられないと不安が増すので、興味をもちそうなあそびの提案や、保育者が一緒にあそぶなど、楽しい時間を増やしましょう。
園での支援実例

活動をルーティン化して見通しをもちやすくする
カードやスケジュールボードを活用して、一日の生活の流れをわかりやすく提示。今から何をするのか、いつ終わるのかを、Bさんと一緒に確認するようにしています。見通しがもてると、安心して活動に取り組め、何度も質問をくり返すことが減りました。
低年齢や理解がゆっくりな子には、一日のスケジュールを場面別に分け、各場面に2~4項目ずつ提示。写真は午後、保護者が迎えにくるまでの流れ「園庭→絵本→(タンバリンで)帰りの歌をうたう→お迎えに来る」を確認できるようにしたもの。

重みのあるひざ掛けやクッションで安心感を
Bさんの場合、重みを感じられると安心するようでした。そこで、重みのあるひざ掛けを用意し、落ち着かない様子があるときや、手持ち無沙汰になる時間帯などには、ひざにのせたり抱えたりするようにしています。
キルト状に縫い合わせた手作りのひざ掛け。中に小豆を入れて、重みを感じられるようにしました。
相手の表情や反応に気づかず一方的に話し続けるCさん
4歳のCさんは、相手の気持ちや会話の流れを読み取るのが苦手で、自分の興味のある恐竜の話題を、一方的に話し続けます。友だちがつまらなそうにしていても気がつきません。
あそびのなかで相手の話を聞く経験を積む
相手の気持ちを汲み、会話の流れを読み取って話すのが苦手で、自分の関心ごとばかり話し続ける子どもがいます。そのような子どもには、あそびのなかで先生役になって話をしたり、役割を交代して聞き役になったりなど、楽しく相手の話を聞く経験を積む機会をつくるとよいでしょう。
暗黙のルールの理解が難しい子や、相手の気持ちに気づきにくい子には、ルールやマナーを視覚化して、具体的に学んでいけるようにしましょう。
園での支援実例

ぬいぐるみを使って
話す番・聞く番をわかりやすく

ぬいぐるみに順番に話しかけるルールで、「ぬいぐるみを持っている人は相手の話を聞く」「1回話したら交代」と伝えて、役割を交代しながら話すあそびを続けました。ぬいぐるみを持ち保育者の話を聞く経験をするうちに、ぬいぐるみがなくても相手の話を聞けるようになってきました。
「聞く・話す」のルールを視覚化する
Cさんは、集団の場面での暗黙のルールがピンときていない様子でした。そこで、ルールを絵カードにして具体的に示し、理解を促すようにしました。また、質問タイムなどの時間をつくって、話してもよいタイミングをわかりやすくしています。
公認心理師、臨床発達心理士 白馬智美
イラスト/ナカムラチヒロ
取材・文/こんぺいとぷらねっと
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