友だちと全身あそび 2026.04.21 「作業療法」と「保育」の視点から、様々な発達を支える感覚統合を育むあそびを紹介します。今号は、感覚統合の基本と、友だちとなかよくなれる全身を使ったあそびです。 感覚統合とは、様々な感覚を脳が整理したりまとめたりする力 近年、感覚統合がうまくいかず、日常生活での動作に困難を感じる子どもが増えているといわれています。 私たちは、「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」の五感に加え、筋肉や関節の動きを感じる「固有受容覚」、傾きや重力を感じる「前庭覚」などにより、日々、様々な感覚情報を受け取っています。「感覚統合」とは、これらを脳が整理し、適切に反応したり、身体をうまく動かしたりする力のこと。特に幼児期は脳の発達において重要で、感覚統合が促されることで運動・学習能力の向上、情緒の安定などにつながっていきます。 感覚統合は積み木が積み上がるように発達する 前述の7つの感覚のうち、感覚統合の土台となるのは「視覚」「聴覚」「触覚」「固有受容覚」「前庭覚」です。感覚統合は、これらの感覚を土台にして下から積み上がるようにして発達します。たとえば、姿勢を保つには固有受容覚と前庭覚の統合により、身体を持ち上げ、バランスをとる力が必要です。その上に運動や学習の力が育まれていきます。 逆に、土台となる感覚が十分に育っていないと、その上の発達がスムーズにいかず、様々なトラブルが生じることがあります。 ↑画像拡大 \こんな子はいませんか?/ 感覚統合が未熟な子10のタイプ 感覚の調整のトラブル ①ぼんやりしやすい(低反応) ②刺激を欲する(感覚探究) ③刺激を怖がる・不安が強い(感覚過敏) ④刺激に反発する・攻撃的になる(感覚回避) 感覚の識別・フィルターのトラブル ⑤違いに気づきにくい/必要な情報に注意を向けにくい 感覚に起因する姿勢・運動のトラブル ⑥姿勢を保てない ⑦身体の動きがぎこちない ⑧手先が不器用 ⑨両手を使った動作が苦手 ⑩動きを目で追えない 感覚統合の基礎となる 3つの感覚にアプローチ 触覚、固有受容覚、前庭覚は、ほかの感覚と比べて自覚しにくい感覚です。今号ではとくにこの3つに働きかけるあそびを紹介します。 触ったり触られたりすることで感じる ①触覚 皮膚を通して感じる感覚です。温度や痛み、肌触りなどから危険を察知したり、触っている物を識別したりする働きに関わります。抱っこされたときなどの心地よい触覚刺激は、情緒の安定にもつながります。 <こんな働き> ●危険を察知し、身体を守ろうとする ●触ったときの感触の違いなどから物を識別する ●人や物に触れることで情緒を安定させる ●ボディイメージを発達させる(身体の大きさ、長さを把握する)など 身体の位置や動き、力の入れ具合を感じる ②固有受容覚 筋肉や関節で感じる感覚です。身体を動かすときに手足の位置をとらえたり、物を持つ・運ぶ・押すなどの動作において身体に加わる力や重さ、抵抗を感じたりします。力加減や身体・手先の使い方などに関わります。 <こんな働き> ●力を加減し、運動をコントロールする ●ボディイメージを発達させる(身体の動きを把握する) ●重力に逆らって姿勢を保つ(抗重力姿勢) ●筋力の働きを調整してバランスをとる ●力を入れたり、身体を動かしたりして情緒を安定させる など 身体の位置や動き、力の入れ具合を感じる ③前庭覚 筋肉や関節で感じる感覚です。身体を動かすときに手足の位置をとらえたり、物を持つ・運ぶ・押すなどの動作において身体に加わる力や重さ、抵抗を感じたりします。力加減や身体・手先の使い方などに関わります。 <こんな働き> ●力を加減し、運動をコントロールする ●ボディイメージを発達させる(身体の動きを把握する) ●重力に逆らって姿勢を保つ(抗重力姿勢) ●筋力の働きを調整してバランスをとる ●力を入れたり、身体を動かしたりして情緒を安定させる など 教えてくれた人/ 作業療法士 高畑脩平 イラスト/佐藤香苗 支援ツールイラスト/みさきゆい 撮影/中島里小梨(世界文化ホールディングス) 取材・文/オフィス201(中西翔子 船越 唄 和田さや加) お知らせカテゴリー 関連キーワード 春 発達障害発達支援PriPriパレット保育保育雑誌