少しの気のゆるみが事故につながる
食物アレルギーの事故をどう防ぐ!?
1年間に約3割の園で誤食・誤配が発生
2012年に東京都調布市の小学校で食物アレルギーの死亡事故が発生し、小学校のアレルギー対策が見直されるきっかけとなりました。しかし、保育施設の対策はまだまだ後れをとっています。2016年の調査によると、8割の保育所にアレルギー児が在籍し、1年間に約3割の保育所で食物アレルギーに関する誤食・誤配が発生しています。
食物アレルギー対策の基本は、情報共有とチェック体制の徹底、ミスを減らすための作業の単純化です。今の園の対応に問題がないか考え、事故が起きない体制を整えましょう。
こんなときは特に危ない
・新しい子がたくさん入ってきて、まだ全員のアレルギーを把握できていない
・保育時間が長く、保育者が途中で入れ替わる
・土曜や夕方など職員が少ない時間に食事を出す
監修/海老澤元宏先生
国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部長。「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」作成検討会に所属。専門は小児アレルギー疾患、特に食物アレルギー。
取材・文/香山倫子(KWC) イラスト/中小路ムツヨ