0・1・2歳児の保育
「自律」につながることばかけ【1】
スムーズなやりとりを急ぎすぎず
本音を出し合えるような仲介を
子どもが「欲しい」と言えずに黙っておもちゃを取ろうとしたときに、「『貸して』って言ってごらん」と言ったり、ものの取り合いをしているときに「順番だから貸してあげようね」と言ったり……。保育者はつい、スムーズなやりとりを子どもに促してしまいがちです。それよりも今は、子どもが本音を出せるように気持ちに共感したり、見守ったりしたいものです。そして、お互いの気持ちを聞くだけではなく、それを相手の子どもに伝えることも大切です。
子どもは「自分の思い(本音)を友だちがわかってくれた」と感じれば、気持ちが静まり、相手の気持ちにも気づけるようになります。それが、自律へとつながります。
監修者 今井和子先生
二十数年間、世田谷と川崎の公立保育園で保育士として勤務。その後、お茶の水女子大学などの非常勤講師を経て、東京成徳大学、立教女学院短期大学に勤務、2010年定年退職。現在、深大寺保育園副園長。「子どもとことば研究会」代表。
イラスト/市川彰子