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発達障害の公表を悩む保護者への対応(前編)

発達障害の公表を悩む保護者への対応(前編)

ゆり先生からの相談(3歳児クラス担任/保育歴3年)
子どもに発達障害の診断があることを公表すべきか悩む保護者への対応は?

発達障害の診断があるゆうご君は、ことばで気持ちをうまく伝えられずにすぐ手が出てしまうなど、友だちとのトラブルが絶えません。今まで、診断のことをクラスの保護者に伝えていませんでしたが、友だちとうまくかかわれないことを心配したゆうご君の保護者から、診断があることを公表したほうが理解を得やすくなるのではないかと相談がありました。

まさこ園長のアドバイス
発達障害の公表を考える前に、保育の基本であるクラスづくりに注力を
ゆうご君の保護者は、発達障害を公表することで状況が少しでもよくなるなら、という期待があるのでしょう。

しかし、新しいクラスが始まってまだ数か月。クラスの保護者への公表をやみくもに急ぐ必要はないでしょう。まずは保育者が、ゆうご君はもちろん、一人ひとりの子どもとしっかり絆を築きましょう。みんなが安定して過ごしていると、互いの良い面が見えてきます。そうするなかで、自然とゆうご君が友だちとつながるタイミングがやってきます。

そのなかで保育者が友だちとゆうご君をつなぐ架け橋となりながら、ゆうご君には友だちとの望ましいかかわり方を、周囲の子にはゆうご君の気持ちを代弁したり、まだ謝ることができないゆうご君の代わりに保育者が「ごめんね」を伝えたりしながら、クラスでゆうご君が受け入れられる土台を築くことが大切です。

ゆうご君の保護者はもちろん、クラスの保護者へのフォローもしっかりと
このようなクラスづくりを進めながら、ゆうご君の保護者には、友だちとのやりとりのなかで見られたゆうご君の育ちの姿をこまめに伝えていくようにしましょう。また、子どもどうしのトラブルが続くと、クラスのなかで心配する保護者も増えてきます。クラス便りなどで、この時期の子どもに起こりやすいトラブルを一般論として記載し、広く保護者に伝えていくことも大切です。

お話/佐藤 曉(岡山大学大学院教育学研究科 教授)、北野雅子(大阪府貝塚市公立幼稚園 園長)
イラスト/みさきゆい 取材・文/森 麻子

 

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PriPri プリプリ 2018年7月号

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62,63ページに掲載

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